大雪で挙式危機に協力者続々、新婦のラジオでの訴えにリスナーが反応。

2010/12/09 14:03 Written by Narinari.com編集部

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先日まで寒波の影響で大荒れの天気が続いた英国。寒さだけでなく大雪も深刻で、空港閉鎖や鉄道の運行停止、サッカープレミアリーグの試合順延など、広い範囲で大きな影響が出た。そうした中、結婚式を12月4日に控えていたある女性は途方に暮れていた。待ちに待った式が間近だというのに、家の周りに積もった大雪のせいで出かけるのが困難になり、準備はおろか会場に向かうことすら危うくなっていたためだ。それでも彼女は予定通り結婚式を挙げようと、なりふり構わず助けを求める作戦に出た。

12月2日、英中部ノッティンガムシャー州ワークソップで暮らす30歳の看護師ハイジ・ケントさんは、窓の外を見て愕然とする。5歳年上の男性との結婚式を2日後に控えていたこの日は英国全土が大雪に見舞われ、彼女が目覚めると家の周りには約70センチの雪が積もっていた。あまりの積雪で思うように出かけられないことを悟った彼女は、このとき、無事に結婚式が挙げられるのかと、焦りを感じていたそうだ。

というのも、式まで残り48時間を切り、最後の準備をしなくてはいけないのに、車での外出が困難に。式で着るウェディングドレスを取りに行くこともできず、また、当日会場となる教会に関係者全員が集まれるかも心配になっていた。「雪のせいで土壇場になってキャンセルにはしたくなかった」(英地方紙シェフィールド・テレグラフより)というケントさん。招待した親類や友人のためにも、何としても予定通り結婚式を挙げたかったのだ。

しかし、そんな思いに立ちはだかった自然の猛威。そこで彼女はシェフィールドのFMラジオ局に連絡を取り、自分の結婚式に賭ける思いを放送してもらうことした。そのメッセージは「予定通り結婚式を挙げるために、ラジオを聞いてる市民の助けを借りたい」というもの。すると、彼女の切なる願いは多くのリスナーへと届き、ラジオ局に「援助の申し出が押し寄せた」(英紙デイリー・エクスプレスより)そうだ。

数多くの申し出は、彼女の願いを充分過ぎるほど叶える。ある男性は雪道でも走れる4輪駆動車を提供し、ある女性はケントさんが着るウェディングドレスを貸すと申し出た。さらに、周辺の住民はケントさんらがスムーズに式へ向かえるよう、付近の通りの除雪作業を行ったそう。そこでは、面識のない人や子どもたちも協力してくれたという。

こうして多くの人の力を借りながら、ケントさんは12月4日に予定通り挙式。直前まで大いに悩まされた雪も式では素晴らしい装飾品となり、「一面の銀世界に囲まれて、とても美しかった」(デイリー・エクスプレス紙より)と感動の様子を語っている。そして、今回雪が降らなければ出会うこともなかったかもしれない、助けてくれた多くの人に感謝。終わってみれば、雪は感動のための最高の演出となったようだ。

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