機長がトイレ中に副操縦士狼狽、操縦桿を誤って動かし急降下で墜落危機。

2010/12/01 07:07 Written by Narinari.com編集部

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副操縦士のちょっとした手違いで機体が急降下。機長の迅速な対応がなければ、墜落の大惨事になっていたかもしれない――そんな旅客機のトラブルが今年5月にインドで起きていたことが、先日発表された調査報告書で明らかになりました。  

インド紙インディアン・エクスプレスやヒンドスタンタイムズなどによると、格安航空会社エア・インディア・エクスプレス航空のボーイング737型機はその日、アラブ首長国連邦のドバイからインドまでのフライト。上空37,000フィート(約1万1,000メートル)を自動操縦の状態で飛行中に、39歳の機長がトイレへ行くため、コックピットを離れたときにトラブルは起きました。

コックピットに残された25歳の副操縦士が何の気なしに自分の座席位置を調整しようとシートを前に動かしたところ、誤って操縦桿を前に倒してしまったのです。その拍子に自動操縦は解除され、旅客機が急降下を始めたことに驚いた副操縦士はパニック状態に。

このまさかの事態に、機長はトイレから急いでコックピットの入り口まで戻ってきましたが、混乱した副操縦士はドアのセキュリティ・ロックを開ける方法も思い出せませんでした。機転を利かせた機長は緊急コードを用いることでようやくコックピットに入れましたが、副操縦士のパニックはとてもひどく、彼を操縦席から立ち退かせたあと機長が機体を上昇させ、ようやく危険な状態を脱出。一連の出来事はわずか3〜4分の間に起きたことですが、旅客機は合計2,000メートルも急降下したそうです。

急降下時の客席では食事が提供されていたこともあり、飲食物や荷物が飛び交い混乱し、113人の乗客は阿鼻叫喚。また、タイミングの悪いことに、この航空会社は数日前に158人が犠牲となった墜落事故を起こしており、そのことを知っていた乗客も“恐怖体験”に遭遇、墜落の恐怖を増大させたのは想像に難くありません。ただ、幸いにも乗客にけが人は出ませんでした。

機長の機転で最悪の事態は逃れたものの、副操縦士はあまりにも冷静さを欠いていたのは明らか。また、報告書では、副操縦士が解除の状態から自動操縦に戻す訓練を受けていなかったとも指摘しています。

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