結婚目前の花嫁を襲った不運、事故で下半身不随も「誰も恨んでない」。

2010/11/25 11:41 Written by Narinari.com編集部

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欧米では結婚式が近くなったカップルがそれぞれ同性の友人たちと集まり、女性のみ、または男性のみのお祝いパーティーをする習慣があります。これからパートナーとの結婚生活を送る友人に対し、周囲が独身最後の“ハメ外し”の場を与えつつ祝福する――という考えから生まれたこのパーティー。イタズラがたくさん仕掛けられていることもありますが、基本的には幸せいっぱいの彼らを祝福するためのものです。

新婦となる女性を祝うパーティーはバチェラレット・パーティーと呼びますが、米ヴァージニア州でエアロビクスやダンスのインストラクターをしていたレイチェル・フリードマンさん(25歳)も、6月27日に予定していた結婚式直前の5月23日に、親友たちが企画したバチェラレット・パーティーで楽しい時間を過ごしていました。しかし、この晩に起こったとある出来事が、彼女の一生を残酷にも変えてしまったのです。

レイチェルさんの公式サイト「Rachelle Friedman.com」や米放送局ABC、NBCなどによると、レイチェルさんと親友の女性たちは外出先でお祝いをした後、自宅のプールで泳ぐことになりました。水着に着替え、プールサイドではしゃぎながら遊んでいたとき、「親友の1人――もちろん今でも親友の女性――が、いつもするようにふざけて私をプールに突き落としたのです」(ABCより)。そのプールは水深がとても浅く、しかも運悪くレイチェルさんは頭から落ちてしまいました。

プールの底で頭を打った彼女は、すぐに体が硬直するのを感じたそう。それでも動かなくなった体を水面に浮かすことができた彼女は「911(米国の救急番号)に電話して!」と叫びました。

病院に運ばれたレイチェルさんは検査の後、医師から受けた診断は「背骨、頸椎(けいつい)の6番が損傷しており、今後は下半身が動かない生活を余儀なくされるだろう」。さらに上半身にも、指の細かい動きや腕の屈折などが困難になるという影響が残ってしまったのです。

病院からすぐに婚約者のクリスさんに連絡を入れ、自分の身に起こったことを伝えたというレイチェルさん。妙に自分が落ち着いていたことに驚いたそうですが、その後の現実はさらに困難を極めるものでした。

5年の交際を経て婚約したクリスさんは、どんなことがあってもレイチェルさんを妻に迎え、支え合いながらの結婚生活を望みました。しかし2人の前に、今後彼女が頼みの綱にしていかなければならない障害者保険の問題が立ち塞がります。米国の傷害者保険は、低収入の人々を対象に運営されているもの。彼らは収入が高すぎるため、もし結婚した場合には適用外となってしまうのです。

ただ、それなりに収入があるとはいえ、レイチェルさんが必要とする介護機器すべての金額を補えるほどではありません。結果、2人は結婚の道も閉ざされてしまいました。

こんな不運を引き起こした友人を恨んでもおかしくないレイチェルさん。でも、彼女は「事故は避けられないもの。私にその事故が起こってしまっただけです。(友人を)恨むなんてとてもできない」(ABCより)と、親友を気遣う心を失っていません。実際、事故の直後に、彼女は嘆く家族を説得し「親友を慰めて欲しい」と、我が身は二の次に懇願したそうです。

レイチェルさんとクリスさんは結婚こそしていませんが、生活は共にしており、保険の問題も弁護士などに相談しながら解決の道を模索しています。何らかの方法で結婚後も保険が適用できる道が見つかれば、すぐに結婚すると誓っているそうです。

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