トイレの普及活動や清潔なトイレの啓発活動などを行っている世界トイレ機構は、11月19日の「世界トイレデー」に合わせ、サイト「FLUSH TRACKER」を開設した。このサイト、トイレで用を足したあと排せつ物がどのように下水道をたどり、どこへ流れていくのか、その動きやスピードをGoogleマップを使って教えてくれるという一風変わったものだ。
文字通り下水が流れていく“道筋(=TRACK)”を示す「FLUSH TRACKER」は、自宅の郵便番号を入力すると、自分の排せつ物がどのように流れるのかを視覚化してくれるサイト。残念ながら日本には対応していないが、現在のところ英国、アイルランド、南アフリカ、ポーランドの4か国に対応している。
ならば日本人が見ても楽しめないかと言われれば、そうでもない。画面に用意された「SEE ANOTHER」というボタンをクリックすると、世界の有名スポットで用を足した場合の流れがわかるようになっている。
例えば米国のホワイトハウスやロシアのクレムリンといった2つの大国の政治中枢、ドイツ強豪サッカークラブのバイエルン・ミュンヘンが本拠を置くアリアンツ・アレーナ、バチカン市国やインドのタージマハルなどの観光地――といった具合。これらがランダムで登場し、それぞれの場所で“用を足す”と、その排泄物が今どこを流れているのかアニメーションしながら、ルートとポイント、さらに下水の流れるスピードまで表示してくれるというわけだ。
このサイトを開設した世界トイレ機構は、2001年にシンガポールで設立された非営利組織。機構の設立に合わせて2001年から11月19日を「世界トイレデー」と定め、世界各地でさまざまな啓発活動を展開しており、今年は欧米やアフリカ各地、インドなどでイベントを行っているそうだ。今なお、世界人口の約4割にあたる26億人の人々が下水の整備されていない環境にあるとされ、こうした現実の認識を高めることが「FLUSH TRACKER」を開設した狙いだという。