中国河北省石家荘市無極県のある高校で、9月中旬から始まったある制度に生徒側が猛反発し、地元メディアが伝えるほどの騒ぎが起きた。この制度、生徒が学校のさまざまな規律に違反した場合に写真や名前、所属クラスなどを校内掲示板に晒し、一種の“戒め”にすることで、勉学に励ませようとの狙いから導入されたもの。しかし、中には恋愛をしていただけのカップルも含まれているなど、厳しすぎる制度に生徒の不満は募るばかりだったという。

中国紙河北青年報などによると、この騒動が明らかになったのは、同校に通う生徒が地元メディアに“タレコミ”したため。生徒の話では、基本的に同制度はケンカやカンニングなど、重大な規律違反をした生徒を処罰するために設けられたそうだ。

地元紙の取材を受けた校長は、この制度について「発案したのは何人かの学年主任。生徒に警告を与えるだけのモノで、生徒のためを思って採用しました」と説明。恋愛をしていたカップルが掲示板に晒されたことについては「この2人が恋愛していたのは疑う余地がありません。抱き合っている姿も目撃されています」としている。

それでも処罰は行き過ぎな感もあるが、学校側はこの生徒に何度も警告を与えたものの、態度を改めなかったために、掲示板に貼り出したとのこと。この学校は恋愛そのものを禁止しているわけではないが、抱き合うといった度を超したイチャイチャ行為に対して、「ほかの生徒がいる校内では節度を持て」という意味合いでの処罰だったのかもしれない。

しかし、規律違反の中身はどうであれ、写真を貼り出された生徒たちにとっては苦痛以外の何物でもなかった様子。ある生徒は「（写真が貼り出されて以来）いつも人目が気になって授業に集中できなくなった」と語るなど、学校側が制度導入によって期待した効果とは逆行している感も否めない。

結局、メディアに報じられるほどの騒動となった今回の件は、学校側が「やり過ぎだった」と反省。教育局からも指導が入ったようで「今後もう行わない」と約束している。