食べ物を“捨てすぎ”な米国人、理由は「常に新鮮さを求める」から?

2010/11/09 11:01 Written by Narinari.com編集部

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食べ物を無駄にしてはいけない。子どもの頃から当たり前のように教わることですが、日本や欧米諸国では、あまりに多い食品廃棄物がしばしば問題となっています。米国では最近、大学調査などをもとに、いかに食べ物を無駄に捨てているか説明した書籍「American Wasted: How America Throws Away Nearly Half of Its Food」(著者:ジョナサン・ブルーム)が出版され、改めてこの問題に警鐘を鳴らしました。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国では国内で生産された生鮮食品や消費期限のある食品などが、少なくとも4分の1、一説では半分近くも消費されないまま捨てられています。捨てられる理由には「収穫前に腐ってしまった」「卸しの過程で傷んでしまった」といった消費者に届く前段階のものも含まれていますが、過去にニューヨーク州トプキンス群で行われた調査では、廃棄された食品のうち40%は「家庭から」との結果が出ているそうです。

「American Wasted: How America Throws Away Nearly Half of Its Food」ではアリゾナ大学が行った調査結果をもとに、「家庭に持ち込まれた食品の約25%は、食べられずに捨てられている」と説明。一般家庭(家族4人)が週に費やす食費を175ドル(約1万4,200円)と仮定すると、40ドル程度(約3,200円)は無駄になっているという計算です。年間に換算すれば、2,000ドル(約16万円)を優に超えてしまいます。

しかし、なぜそんなにも多くの食品を無駄にしてしまうのでしょうか。同書では、理由として「買っても忘れてしまう」「要らないのに買ってしまう」「保存の方法が悪いため傷んでしまう」「常に完璧な生鮮食品を求める消費者の思い込み」などを挙げています。

米国人は大きな冷蔵庫を持つことがある種のステータスのようになっていますが、その冷蔵庫は「常に食品で満たされていなければならない」と信じている節があるそう。さらに、米国では食中毒予防に対してとても敏感。少しでも色が変わった生鮮食品は「食べると体に悪い」と、すぐに捨ててしまう傾向があるようです。

それだけの食品を無駄にしながら、肥満が大きな社会問題となっている米国。何か矛盾のようなモノを感じる人は多いかもしれません。

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