中国で身分証偽造ソフト出回る、「誰でも簡単作成」に警察は危機感。

2010/09/26 15:09 Written by Narinari.com編集部

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中国では満16歳以上の全国民に、身分証の「中華人民共和国 居民身イ分証」が交付される。この身分証は公安局によって一元管理されており、銀行口座を開いたり、ホテルに宿泊したり、ネットカフェを利用したりするときなどに必ず提示を求められる、いわば中国人にとって無くてはならない必需品だ。しかし最近、その身分証を簡単に複製できるソフトがネットに出回り、警察をやきもきさせているという。

中国通信社新華社などによると、このソフトは通称“身イ分証復印件生成器”と呼ばれ、ネットでダウンロードすれば誰でもすぐに利用可能だ。ソフトのインストールを済ませ、ファイルを展開すると姓名や性別、生年月日、民族、身分証番号などを記入する画面が表示される。それらすべての必要事項を記入し、自分の顔写真を加えれば、アッという間に本物そっくりの身分証の出来上がり。また、このソフトは新旧双方の身分証にもきっちり対応している。

もちろん、同ソフトで作成された身分証は本物とまったく同じというわけではなく、きちんと見比べれば違いはわかるそうだ。しかし、中国の現状では、身分証の確認作業を簡単に済ませてしまうようなシチュエーションは多々ある。また、もともと身分証のコピーの提出だけで済ませられるような簡単な身元照会では、こうしたソフトが脅威になることは明らかだろう。

中国では偽札の確認作業は国民一人一人が受領時に慎重に行う傾向があり、ある程度の防止機能が働いているが、身分証はそれと比べてまだまだ甘い状況であることは否めない。そうした点が、警察が危機感を募らせる結果となっているようだ。

ちなみに、中国では2009年6月に逮捕された詐欺団が5,000枚もの偽造身分証を利用して、さまざまな詐欺行為を行っていたことが発覚した。今回のソフトは遊び半分に利用している人も多いそうだが、当然のことながら偽造自体が犯罪行為。早急な対応が求められそうだ。

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