救急車より早く霊柩車が来た、生きているのに運ばれそうになり激怒。

2010/09/20 09:50 Written by Narinari.com編集部

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先日、中国で起きたバイクと通行人の交通事故でのこと。事故現場に救急車が到着するはずが、それよりも早く霊柩車が現れ、被害者らを呆れさせたという。

中国紙北方新聞によると、交通事故に遭遇したのは重慶市で看護師として働く27歳の周さん。9月中旬のある朝、周さんが出勤しようと家の近くの道路を横断していたところ、いきなり突っ込んできたバイクとぶつかり転倒。運良く一命は取り止めたものの、意識はぼんやりとし、身体を動かせるような状態ではなかった。

現場近くにいた人はすぐに警察への通報と救急車の手配をしてくれたが、負傷した周さんを待ち受けていたのは、予想もしていなかった出来事。救急車の到着を待つ間に、霊柩車がどこからともなく現れ、周さんを車に乗せるような行動を取ろうとしたのだという。このとき、周さんはおぼろげな意識の中で誰かが言い争うのを聞いていたらしく、「彼女はまだ生きている。救急車を待っているんだ!」と怒鳴っていたそうだ。

しかし、驚くのはこれだけではない。周さんは救急車で運ばれた病院で検査を受け、命に別状はなかったのだが、その病院にも別の霊柩車が到着。そして、車を降りた男たちは診察室を訪れ「周さんが亡くなったかどうか」たずね、彼女が存命であること知らされると、そのまま走り去ったという。

このことを知った周さんは激怒。患者の命を救うために全身全霊を注ぐ看護師という仕事柄もあり、人の死を待ち望むようなこうした業者の態度には余計に腹が立ち、「事故以上にショック」と、率直な胸の内を明かしている。

なお、地元メディアが葬儀屋の関係者(匿名)に直撃したところによると、周さんを運び去ろうとした車は葬儀屋と提携している人たちのようで、彼らは遺体を葬儀屋まで運ぶことでマージンを得ているそう。通常は死亡証明が発行された後でしか遺体を搬送できないため、葬儀屋間の競争が激化する中で、こうしたビジネスが暗躍しているとのことだ。

何はともあれ、今回の一件は事故被害者である周さんにとって二重の苦しみとなってしまった。何とも気の毒な話だ。

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