「日記読まれた」11歳が親を提訴、プライバシーの侵害と過激行動に。

2010/09/18 10:09 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


続くかどうかは別にして、誰しも一度くらいは日記を書いた経験を持っているだろう。その内容は人によってさまざまだが、中には人に絶対に知られたくない内容を書き記している人も当然いる。中国では先日、“秘密”を書き溜めていた日記を親に盗み読みされた少年が、自分の親を訴えるという過激な行動に出て話題を集めた。

中国のニュースサイト金羊網や大河網などによると、この少年は河南省淇県の小学校に通う11歳の李くん。彼は学校で常に成績上位に入る優秀な生徒で、両親からも大きな期待をかけられていたという。

しかし、つい最近行われた試験ではなぜか振るわず、成績は一気に下がってしまった。奇妙に思った両親は担任に相談したが、先生は「李くんは授業への集中が足りない。授業中におしゃべりばかりしている」と説明するのみで、明確な理由はわからない。そこで両親は引き続き李くんを観察することにした。

そんなある日、彼が補修クラスに通っているときのこと。両親は李くんの日記帳をこっそりのぞき見することにした。すると、そこに書かれていたのは両親が全く想像していなかった“恋愛話”。どうやら李くんはクラスメイトの女子に恋をしているらしく、それが原因で成績が下がってしまったようなのだ。

この事実を知った両親は激怒し、酷く叱ったという。しかし、これが彼の逆鱗に触れることに。両親は叱った後、自分たちの過ちに気付いて謝罪したそうだが、李くんは取り合わず裁判所に駆け込み、自分の両親を告訴するという過激な行動に出た。

李くんと面会した司法官が「なぜ“プライバシー”を知っているのか」と李くんに質問を投げかけたところ、彼は「ネットで見ました。日記は僕個人のプライバシーで、日記を盗み見ればプライバシー侵害に当たる」と自信を持って答えたそうだ。

もちろん、裁判所にとってもこれはあまりにも特殊なケース。未成年者とは言え、個人のプライバシーを守られる権利は持つ。しかし、同時に両親は李くんの保護者として、健康的な発育や教育のために日記を盗み見たとも言える。そう簡単に「権利侵害」と認めるわけにはいかない。

最終的に司法官は、原告と保護者に対してプライバシーに関する詳しい説明を行うとともに、双方それぞれの誤ちを指摘。親子は和解し、“泥沼の裁判劇”とまでは至らなかったようだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.