NHKの人形劇「三国志」など、人形アニメ作家の川本喜八郎さんが死去。

2010/08/27 12:04 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


1980年代にNHKで放送された人形劇「三国志」をはじめ、日本が誇る人形美術家・人形アニメ作家として活躍した川本喜八郎さんが8月23日に肺炎のため亡くなった。85歳。27日から9月5日まで、長野県飯田市にある「川本喜八郎人形美術館」では記帳台を設け、あわせて9月5日まで入館無料とする。

川本さんは1925年、東京都出身。東宝撮影所美術部で映画の美術スタッフとして従事後、フリーの人形美術家に転身し、CMなどでも活躍した。また、劇作家・飯沢匡氏らとグループを作り、1953年には日本初の人形アニメ「ほろにが君の魔術師」を制作。ちょうどその頃、世界的な人形アニメ作家イジー・トルンカ氏の「皇帝の鴬」に感銘を受け、1960年代に旧チェコスロバキアへわたり、トルンカ氏に師事した。

帰国後は「花折り」「鬼」「道成寺」といった人形アニメーション映画や、NHKの人形劇「三国志」「平家物語」など、独自の様式美と伝統的な人形表現を盛り込んだ人形アニメで人気に。「ぴあフィルムフェスティバル」などの映画祭でもたびたび招待作品として上映されたり、単館映画館で特集上映が組まれたりと、若い世代にもファンは多い。

「川本喜八郎人形美術館」は27日、公式サイトに「川本喜八郎館長 逝去のお知らせ」を更新。「敬愛する先生を失ってしまった悲しみを乗り越え、職員一同これからも真摯に務めてまいる所存でおります」「生前、先生が飯田にお寄せいただきましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに、そのご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します」とつづっている。

同美術館は、飯田市の人形の歴史と人形に対する市民の情熱に感銘を受けた川本さんが「飯田こそが人形にとって一番ふさわしい場所である」と考え人形を寄贈し、自ら館長を務めた施設。また、人形展示のほか、トークショーや人形解説会などの企画にも積極的に取り組んでいた。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.