18年無料で勉強教える元教師、82歳になっても山間部まで歩いて出向く。

2010/08/03 13:40 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


定年退職後、日々どのような生活を送るかは人それぞれだが、自分が蓄えた知識や技術を社会に役立ててもらおうとボランティア活動に勤しむ人も多い。中国・重慶市で暮らすあるおじいさんもそんな一人。自分の教師経験を活かそうと、82歳になった今でもさまざまな場所に赴き、貧しい子どもたちに学問を教えている。

このおじいさんは重慶市の巴南区で暮らす陳恩禄さん。中国紙重慶時報によると、陳さんは35年間教師として教壇に立った経験を持ち、定年退職後、子どもたちに学問を教えるボランティアを始めた。そしてその活動は18年間続いている。

陳さんはこれまで市内200か所余りの学校やコミュニティなどで講義を行ってきた。講義で使用する教材はすべて自身が書いたもので、その数は1,200本以上にも及ぶ。歳を重ねた今でも毎日平均して4時間を勉強に費やす勤勉者だ。

18年もの間、ボランティア教師を続けていることだけでも驚きに値するが、陳さんの驚くところは他にもある。それは歩行距離。これまでに徒歩で移動した距離は1,700キロ以上にも及ぶという。

8キロ歩いて海抜800メートルの場所にある小学校に出向くこともあれば、15キロ歩いてわずか14人の生徒しかいない学校の講義に赴くことも。バスが通っていない山間部の学校などで講義するときは、2時間歩くこともざらにあるそうだ。

もちろん、陳さんはすでに高齢であり、そうした事情を考慮して学校側がさまざまな援助の手を差し伸べてくる場合も。ただ、陳さんは学校側に余計な負担や出費をさせまいと、送迎車や補助費を断り、自分の足で向かうようにしている。

「私は山岳部の学校まで講義に向かいます。山は高く道は遠いですが、それは恐れるに値しません」と述べる陳さん。自分に余力がある限り、貧しい子どもたちのために奔走し続けるつもりだという。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.