捨てた饅頭を「食べろ」で物議、中国の軍隊体験授業の指導に賛否両論。

2010/07/20 11:52 Written by Narinari.com編集部

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中国では「軍訓」と呼ばれる、軍隊の訓練体験授業が全学生に義務付けられていることをご存知だろうか。中学校や高校、大学などで実施されるこの訓練、期間は短くて1週間、長い場合は1か月にも及ぶ。訓練の目的は軍隊生活を体験させることで、心身の鍛練はもとより、学生たちに集団意識や規律などを芽生えさせることにあるのだが、ときに根を上げてしまう学生もいるほど、その内容は厳しいものだ。そんな軍訓の中で起きたある一件が、中国のネットでちょっとした物議を醸している。

中国紙新京報によると、この一件は北京交通大学の軍訓で起きた。軍訓に参加していたある男子大学生は、食事に出された饅頭が苦くて硬かったために、食べかけの状態でゴミ箱に捨ててしまったという。しかし、それを発見した教官は激怒。「ゴミ箱に捨てた饅頭を拾って帰り、食べなさい」と学生に通告した。

もちろん、教官は食べ物の大切さを学生に伝えようとこのような通告をしたと思われるが、通告を受けた学生は「ありえない」と猛反発。「ゴミ箱には汚水も入っているのに、いったいどうして一度捨てた饅頭を食べられるのか!」と教官との間で小競り合いとなってしまった。

しかし、翌日の昼。学生は多くの学生が集まる食堂で指導者および饅頭、農業従事者に向かって謝罪を命じられたそうだ。宿舎に帰ってむせび泣く学生の姿を目撃したという声もある。

なお、この出来事に関する中国の大学生の反応はさまざま。「軍事訓練では教官の命令は絶対で、その苦しみを味わうことに意味がある」「この学生は食べ物の大切さを学べたはずだ」などと教官を支持する声もあれば、「ひどい侮辱だ」「行き過ぎ。これでは教育にならない」とする反対意見も多い。肝心の学校側は「教官の言葉は過激だが、教官の教育方針に間違いはない」としている。

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