まだまだ続く「裸足の泥棒」逃走劇、飛行機盗み米国から海外逃亡か。

2010/07/08 19:03 Written by Narinari.com編集部

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約2年間にわたって警察から逃げ回り、欧米の若いネットユーザーから英雄視されている窃盗犯がいる。ワシントン州出身で19歳のコルトン・ハリスムーア容疑者は2008年4月、強盗などの罪で服役中に、社会更生施設へ移送される車から脱走。以来、民家などに押し入っては金品などの強盗を繰り返し、車や飛行機を盗んで逃走を続けているが、警察の必死の捜査にも関わらずまだ逮捕には至っていない。被害に遭った家や車などにいつも彼の足跡が残されていることから、付いたあだ名は「裸足の泥棒」。そんな彼が先日再び表に姿を現し、今度はインディアナ州で盗んだセスナ機でバハマへ逃げたのではないかと、米メディアで話題を呼んでいる。

これまで2年間にわたり伝えられている情報を総合すると、ハリスムーア容疑者が窃盗を始めたのは8歳のときこと。父親は蒸発、母親はアルコール中毒という家庭環境が大きく災いしてか、幼なじみに「本当はいい奴」と言われながらも、犯罪に手を染めるようになった。そんな彼が全米の注目を集めたのは2年前の脱走以来、たびたび起こす事件の現場にいつも足跡を残していることに加え、あまりに大胆な方法で警察の目をかいくぐり逃げ回るためだ。

脱走3か月目には、出身地のカマーノ島で盗んだメルセデス・ベンツに乗っているところを警察が発見。警察とカーチェイスを繰り広げながらも逃走に成功し、潜伏していた森の中に逃げ込んだという。このときベンツに残されていたデジタルカメラには、森の中で自ら撮影したと思われる写真データが記録されており、これが「裸足の泥棒」を示す最も有名な写真となった。

その後、逃走は海や空まで拡大。中でも「盗んだクレジットカードを使ってネットでマニュアルを購入し、独学で学んだ」という飛行機の窃盗は、彼の話題がメディアに出るたびに“逸話”として伝えられている。

こうした大胆な手段を取りながらも、直接的に人を傷つけることなく、警察の追手を免れている彼を英雄視する若者も少なくない。Facebookにはファンが立ちあげたコミュニティがいくつも立ち並び、最も大きいもので4万5,000人超のメンバーが集まっている。昨年12月にナリナリドットコム編集部が確認した時点では1万4,000人超だったので、この半年余りで約3倍にも膨れ上がっている計算だ。ほかにも、ネットでは彼の顔をプリントしたシャツなども販売されている。

そんな彼が再び犯行に走ったと見られているのは7月3日夜のこと。事件が起きたのはインディアナ州の空港で、3日夜から4日朝までの間にセスナ機が盗まれた。米放送局ABCによると、無線を受信した沿岸警備隊により、セスナ機はフロリダ南東の島国バハマ近くに達していることが判明。直ちに現地警察が捜索に当たったところ、バハマの沖合で乗り捨てられているセスナ機が発見された。

今年6月にはサウスダコタ州でも自動車を盗み、空港に侵入したとされるハリスムーア容疑者。警察は現段階で彼の犯行を裏付ける「具体的な証拠がない」としながらも、米メディアは最近米中部に隠れていたと推測される点や、これまでと同じような着水方法であることから、彼の犯行の可能性が強いと見ている。逮捕に繋がる情報提供には1万ドル(約87万円)の報奨金をかけているFBI(米連邦捜査局)も、バハマへ逃走したとの見方を強め、すでに人員を派遣して捜査に当たっているそうだ。

数々の犯行を繰り返しながら、警察を嘲笑うかのように逃走を続ける「裸足の泥棒」。一方で、6月にはワシントン州の動物病院に「動物の世話にこのお金を使ってください」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と書かれたメモと、100ドルを置いていく行動も見せているという。まだ優しい一面を心のどこかに残しているかもしれない彼のためにも、これ以上罪を重ねないよう、一日も早く捕まることを願うばかりだ。

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