「注文していないはずの宅配ピザや寿司が届いた」という話は、ドラマやマンガの世界のみならず、現実でもしばしば聞かれる。勝手に注文するこうした行為はイタズラや嫌がらせでは決して済まされない立派な犯罪で、逮捕に至るケースも少なくないが、中国では先日、タクシー100台がイタ電によって呼び集められるという事件が起きた。
中国紙揚子晩報によると、この一件が起きたのは、南京市江寧にある自動車関連工場でのこと。深夜2時ごろ、工場の入口に100台近くのタクシーが列をなし、工員はもちろん、近隣住民も騒然とさせた。
通報を受けて現場に駆け付けた警察によれば、これは完全なイタズラ。「夜勤の工員を送迎するために多くのタクシーが必要」とウソの電話がタクシー会社に入り、無線を通じて次から次へとタクシーが現場に呼び集められたらしい。集まったタクシーの運転手は皆、当初は本当だと信じて疑わなかったそうだ。
しかし、続々と工場から工員は出てくるものの、誰一人としてタクシーを利用しようとはせず、歩いて帰る人ばかり。運転手たちは1時間ほど待たされて初めて「ウソかもしれない」と思ったという。中には2時間も現場で待たされたタクシーもあり、ある運転手は「みんなこんな遅い時間にはるばるやって来たのに、無駄足だ」と憤慨している。
なお、タクシー会社にイタ電をかけてきたと思われるケータイの番号は、すでに繋がらない状態だったという。