カンヌ受賞広告に英国が怒った? 性的な表現を「反社会的」と批難。

2010/07/02 09:39 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


クリオ賞やOne Showと並び、世界3大広告祭のひとつとして名高いカンヌ国際広告祭。過去には日清カップヌードルのCM「hungry?」やユニクロの「UNIQLOCK」がグランプリを受賞したことでも知られる広告の祭典だ。このカンヌ国際広告祭で今年度のアウトドア部門グランプリ・キャンペーンを受賞したディーゼル社の広告が、いまちょっとした話題を呼んでいる。

今回、ディーゼル社が受賞したのは“大人はNOと言う。僕らはYESと言う。大人は頭で考える。僕らは心で動く。大人には知恵がある。僕らには度胸がある。BE STUPID”というスローガンに則り、既存の概念にとらわれない状況を映し出したポスター。その中には女性が監視カメラに向かって胸を露わにしていたり、水着姿の女性が自身の下半身の中をカメラで撮影していたりといった、性的なものも含まれている。

しかし、こうした“挑発”的な広告は、国際的に高い評価を受けたからと言って、世界の誰もがお気に召したというわけではないようだ。複数の苦情が寄せられたという英国の広告基準局(Advertising Standard Authority)は、いくつかの写真を「不快で反社会的な行動を助長させる」として批難し、発禁処分に。キャンペーンそのものはまだ出版物などでは認められているものの、広告基準局は「若年層が見てしまう恐れがある」との判断から、路上のような公共スペースへの掲示は認めていない。

こうした措置にディーゼル社は反論。これらの写真は「女性らしさという固定観念に対して、意外性と強さを表すもの」(英紙ガーディアンより)とし、最も批判の多かった監視カメラに向かって服をまくり上げた女性が胸を露出している写真については「ビデオカメラによる、憂慮すべき監視社会へのちょっとした批難」(同)であると説明している。

このような状況について、カンヌ国際広告祭の舞台となったフランスでは、例えばエクスプレス誌が「正直な話、このキャンペーンはディーゼル社の数年来の仕事で最も好ましいものと思われる。先日、フランスで問題となり、結局政府が回収するハメになった禁煙のポスター(タバコを男性器に見立てたもの)と比べれば、まだショックという程でもない」とコメント。擁護とも、ちょっとした皮肉とも取れる評価をしている。



TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.