少女の“友だち”を少年が救う、2か月前紛失のクマのぬいぐるみが戻る。

2010/06/17 12:23 Written by Narinari.com編集部

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特に小さな女の子にとって、愛らしいぬいぐるみは片時も離せない大切な存在になり得るもの。その関係が思いもよらぬ形で終わってしまうとなれば、子どもにとっては耐えがたい苦痛となるだろう。ニュージーランドでハイキングを楽しんでいた5歳のカナダ人少女は、今から約2か月前、そんな悲劇に遭遇してしまった。バッグに下げていた大好きなクマのぬいぐるみを、どこかに落としてしまい大ショック。しかし、立ち寄った山小屋のログブック(引継簿)にその出来事が記されていたおかげで、ぬいぐるみと奇跡的に再会を果たせたという。

ニュージーランド北島にあるファンガヌイ国立公園は、深い山間を流れるファンガヌイ川に沿ってハイキングコースが整備され、宿泊施設も充実している人気のスポット。ニュースサイトstuff.co.nzによると、カナダから訪れていた5歳の女の子、リサ・フリーマンちゃんは2か月前、公園の自然を満喫するためにマテマテオンガ・トラックと呼ばれるコースに家族と入った。

ところが、コースをすべて歩くには数日かかるほどの長い行程の初日にして、リサちゃんはいきなりの不運に見舞われる。バッグに下げていた大好きなクマのぬいぐるみ“ウィグルス”が姿を消したのだ。父親のヤニクさんは「木に引っ掛かったに違いない」(ニュージーランド紙タラナキ・デイリーニュースより)と考え、必死に辺りを探したものの発見には至らず。リサちゃんは涙を流して悲しんでいたという。

発見は困難と判断した両親は、新たなクマのぬいぐるみ“ビグルス”をプレゼントするも、リサちゃんの“ウィグルス”への想いは消えなかった。この出来事は宿泊先の宿のログブックに記録されたが、これがその後リサちゃんに奇跡の再会をもたらすきっかけとなったという。

2か月あまりが過ぎた先日、12歳の少年ケイデンくんは、父親とマテマテオンガ・トラックに入り、この宿で一晩過ごすことに。そのときログブックでリサちゃんがぬいぐるみを紛失したことを知ったケイデンくんは、「明日は彼女の“友だち”を救わなければ」と考えたそうだ。そして翌日、散策しながら捜したところ、なんと生い茂る木々の中で本当にぬいぐるみを発見した。

こうしてぬいぐるみの“ウィグルス”は、6月8日にニュージーランドから、リサちゃんが住むカナダ北西部の街ホワイトホースへ無事送りだされたそう。リサちゃんの母親ディグビーさんは「信じられない。誰かに拾われるなんて100万に1つの可能性」と、娘に代わって喜びと感謝の気持ちを示している。一方のケイデンくんは「彼女の役に立てて嬉しいよ」と語り、父親のレネさんも「息子を誇りに思う」と嬉しそう。少女と少年の想いと行動が、双方の家族に幸せな気持ちをもたらしたようだ。

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