著名投資家とのランチは2億円超、チャリティー競売で過去最高額を更新。

2010/06/15 17:22 Written by Narinari.com編集部

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総資産は470億ドル(約4兆3,000億円)、毎年世界長者番付に名を連ね、世界のビジネスマンから羨望の眼差しを注がれる有名投資家が米国にいる。その人は、79歳で投資会社バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者を務めるウォーレン・バフェット氏。2007年にマイクロソフトのビル・ゲイツ氏を抜いて“世界一の金持ち”にもなったバフェット氏の投資哲学には、世界で活躍する多くのビジネスマンから尊敬を集めている。そんなバフェット氏の話を直接聞くことができる「一緒にランチ権」が、先日、ネットオークションサイト「eBay」で競売にかけられた。6月11日に入札が締め切られた結果、落札価格は約262万ドル(約2億4,000万円)となり、過去最高額を更新したという。

バフェット氏は小さい頃から経済に興味を抱き、11歳のときには株を購入。アルバイトや事業を学生のうちに数多く経験し、自分なりのノウハウを蓄積したほか、ネブラスカ大学やコロンビア大学で経済や経営を学んでいる。1950年代から本格的に始めた投資事業は、失敗も糧にしながら積極的に展開して大きな成功を生み続け、1980年代には米国長者番付のトップ10常連の地位を築いた。

投資家としての名声を高めた一方で、バフェット氏はチャリティーに積極的なことでも知られ、それが彼の評判を高めている要因の1つにもなっている。「一緒にランチ権」を競売にかけたのもその一環で、落札額はサンフランシスコの非営利組織グライド財団へ寄付されるという。グライド財団は「貧困者やホームレスに、食事や福祉、育児、住宅、職業訓練などを提供する」(米紙インターナショナル・ビジネスタイムズより)団体。彼は、2006年に亡くなった先妻のスーザンさんの紹介で団体との繋がりを持つようになり、寄付金を集める活動の一環として、2000年からこの競売を始めた。

毎年1回程度のペースで行われているランチ権を巡る競売は、当初は概ね2万5,000ドル(約230万円)辺りで推移していたのが、2003年を境に急上昇する。ビジネスニュース専門放送局CNBCでは、過去の落札額をグラフで紹介しているが、2003年に25万ドル(約2,300万円)を超えると、2006年には60万ドル(約5,500万円)を突破。そして長者番付で世界一になった翌年の2008年に、香港の投資家が211万100ドル(約1億9,000万円)で落札し、世界の経済系メディアを中心に大きな話題を呼んだ。

今年の競売は、6月6日の夜から2万5,000ドルでスタート。9人の入札者がバフェット氏とのランチを求めて入札合戦を繰り広げ、締切日の6月11日に入った段階で90万100ドル(約8,240万円)だった価格は、最後の1日で3倍近くにまで跳ね上がった。結局、落札価格は262万6,311ドルと、記録を更新。ちなみに本人の希望により、落札者の身元は明かされてない。

「最高7人の友人を連れて、マンハッタン中心部にあるステーキハウスでバフェット氏と食事をする」(インターナショナル・ビジネスタイムズ紙より)のが、2億4,000万円のランチ権の価値。これには寄付を受けるグライド財団の創設者セシル・ウィリアムズ氏も「嬉しくて飛び上がった」そうだ。ともあれ、2億円以上の価値ある話がどのようなものになるのか、落札者は今から楽しみにしていることだろう。

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