他人の食事代支払う謎の2人組、ニューヨークのレストランに出没中。

2010/06/03 20:34 Written by Narinari.com編集部

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大物芸能人や大物スポーツ選手の器の大きさを示す話として、飲食店で偶然会っただけなのに、自分の分の会計が済まされていたという話をよく耳にする。こうした恩恵にあずかれるのは、恐らくは芸能界やスポーツ界の関係者が多く、一般の人には滅多にないことだろう。特に顔も知られていない自分が突然誰かのご馳走になるという都合の良い話が、そう簡単に起きるわけがない。ところが、最近ニューヨークのイタリアンレストランで、そんな幸運にありついた人が続々と現れている。他人に幸せをもたらしているのは、“店の常連”というカップルで、彼らは見初めた客の食事代も一緒に支払うと、気付かれる前に店を後にするそうだ。

米紙ニューヨーク・ポストによると、幸運の舞台はニューヨーク・マンハッタンのアッパーイーストサイドにあるイタリアンレストラン「Spigolo」。母の日のお祝いで、両親と一緒にこのレストランを訪れたケイティー・バーンハートさんも、謎のカップルにご馳走になったうちの1人だ。お祝いとあって豪勢に注文をしたバーンハートさんは、この日、約200ドル相当(約1万8,000円)の食事を楽しんだそう。そして、彼女がいざお勘定と告げると、店員からは「お代はいただきました」と、想定外の答えが返ってきた。

しかも、隣にいた2人の女性の食事代も謎の人物によって支払いが済まされていたと知ったバーンハートさんは、当然の如く、自分たちの食事代をご馳走してくれた人物を店のバーテンダーにたずねたが、バーテンダーは「すでに帰った」と彼女に告げたという。当時、「自分たちの後ろは空席だった」という店の入りが幸いして選ばれたのだろうとバーンハートさんは推測。謎の人物に「感謝したい」とも語っている。

この気前の良い人物の正体は、常連とあって店の「数人の従業員は知っている」(米ブログメディアGothamistより)そう。店でバーテンダーを務めるポーラ・ルーカスさんは、ニューヨーク・ポスト紙に対して「彼らは自慢をしたいわけじゃない。そういうタイプの人々ではない」とコメント。カップルとは明かしたものの、詳細については口を閉ざしたままだ。

このカップルは、曜日に関係なくたびたび店を訪れては、いつもほかの客の食事代とチップの面倒を見るらしい。彼らがどの客を選ぶかは理由も金額も関係ないようで、ルーカスさんは「どの客の食事代を払うと申し出るかは、予想するのが難しい」と話す。そして「反応を待とうともしない」彼らは、お金を出した客と話をすることもなく、店を立ち去るのがいつものパターンのようだ。

彼らの目的は、今のところ分かっていない。しかし、ご馳走してもらったバーンハートさんは「正体不明でそれをするのが、まさにニューヨークよね」と、すっかり感激。また、彼らがチップ代を含めてお金を出す上に、払ってもらった人も「ほとんどがチップを置いていく」ため、店側も彼らの恩恵を受けているようだ。

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