“ゴミ屋敷”に2週間埋まった老夫婦、防護スーツ着用の救急隊員が救出。

2010/05/28 18:53 Written by Narinari.com編集部

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老夫婦を救出するため民家にやって来た救急隊員は、その室内の悪臭に圧倒され、迷わず「毒物などを取り扱う際に着用する防護スーツ」を着込んだほど――。そんなニオイとの戦いの中で行われた救出劇を、米紙シカゴ・トリビューンが伝えています。

シカゴ郊外に住むジェシー・ガストンさんと、妻テルマさんの姿が住民から目撃されなくなったのは、今から数週間前のことでした。普段から近所付き合いが少なく、しかも家の周りにガラクタを積み上げるなど、周辺近所からは煙たがられた彼らですが、夫婦が郵便受けを何日もチェックしていなかったことを不思議に思った近隣住民により、通報が入ったのです。

そして救急隊員が夫婦の家に駆けつけ、家の中に踏み込んだとき、遭遇したのはおぞましいほどの悪臭でした。しかし、隊員はさらにその光景にビックリ。なんと室内は天井まで届くほどのゴミ、ゴミ、ゴミ……。悪臭はこのゴミの山から発生したものでした。

どうやら夫婦は「強迫性障害」(OCD)の一種である精神疾患に悩まされていたそう。これは、ホーディング(hoarding)と呼ばれる「強迫的溜め込み」という心の病気で、モノを集めすぎる、整理整頓ができない、そして「捨てられない」という症状が現れます。

ティッシュだろうと何だろうと、とにかく捨ててしまうと何か悪いことが起きるのでは、と思い込んでしまうそうで、夫婦は2人揃って強迫的な溜め込みを長年続けていました。

警察の報告書によると、今回の一件は積み上げられたゴミがまずテルマさんの上に「なだれ」となって襲いかかり、その彼女を助けようとしたジェシーさんも、途中で山から出て来られなくなってしまったのです。

救急隊員の助けによって、ようやくゴミの山から救い出された夫婦。テルマさんのほうは意識はあるものの、精神的に混乱しており、さらにジェシーさんにいたっては、生命維持装置の助けを借りないと呼吸もままならないほど、重症の状態が続いているそうです。

ちなみに、彼らが住む地区の自治体は彼らが救出された後に、この民家に対して「周辺住民に迷惑をかけた」などの理由で、16件の処罰を示したと伝えられています。

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