会社が仕掛けた嬉しいドッキリ、誕生日の運転手を待ち受けていたものは?

2010/05/21 12:56 Written by Narinari.com編集部

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せっかく誕生日が休日だったのに、会社から出勤するように頼まれた――。こうした場合、普通なら会社を恨みたくもなるだろう。しかし、デンマークでバスの運転手を務める男性は大喜び。それは、会社が仕掛けた素敵なサプライズで、多くの人から誕生日を祝福されたからだった。

そのサプライズの一部始終は、YouTubeに投稿されている動画「Mukhtars F●dselsdag - Flash Mob - Bedre Bustur」(●はoの中に/が入った文字)(//www.youtube.com/watch?v=xgOyTNtsWyY)で見ることができる。主人公はデンマークで交通事業を行っているMoviaのバス運転手・ムフタールさん。この日、41歳の誕生日を迎えた彼は休みを取る予定だったが、会社からシフトに入るよう頼まれてしまったという。しかし、これは会社が企んだ計画。彼を喜ばせようと、乗務するバスにちょっとした仕込みを行った。

いつものようにコペンハーゲンの街中を走るムフタールさんのバスは、立っている乗客も多い混雑ぶり。そこに、ある停留所からトランペットを持ったタキシード姿の男性が乗り込んできた。笑顔で乗車の確認をしたムフタールさんだったが、その直後、あからさまに怪訝な表情を浮かべる。乗ったばかりの男性が、いきなり車内でトランペットを吹きだしたからだ。決して上手とは言えない演奏だが、吹いている曲はデンマークで誕生日を祝う曲らしい。眉間にしわを寄せながら、鏡越しに後ろの乗客のほうをチラチラと見るムフタールさんだったが、演奏が終わって1人の女性が歌い出すと、突然表情を崩して笑い始める。

これが自分のお祝いだと気が付いた彼は、バスの運転を続けながらも笑いが止まらない。乗客の数人は会社が仕込んだサクラのようだが、普通にバスを降りる乗客や、何となく事情に気が付き、笑いながら様子を見守る乗客の姿も見られる。中には仏頂面のままの人もいるが、歌は次第に車内に広がり、乗客の多くがお祝いの歌を捧げた。しきりに車内を確かめ、嬉しそうに運転を続けるムフタールさん。しかし、またしばらくすると表情が冴えなくなってしまう。

走行するバスの先に見えたのは、数十人ほどの集団によるデモ行進。わいわいと騒いで道に広がり、バスが通行できない。そこでクラクションを鳴らすと、一斉に旗やボードを振りながら歓声をあげた。実はこのデモ行進も仕込みで、身内や友人の集団だったのだ。ムフタールさんは口を開けて驚き、バスから降りて花束を受け取ると、目からは今にも涙がこぼれ落ちそう――というところで動画は終了する。

このイベントはMoviaと欧州各国で交通事業を行うArrivaが共同で行った企画なのだそう。「Better Bus Trip」と銘打たれたキャンペーンの一環で行われたイベントは、ムフタールさん以外にも、何人かの選ばれた運転手たちに仕掛けられたそうだ。

同社は「我々の乗客とドライバーが、多くの愛で満たされた、楽しい週となったことを望む」との意図を明かしているが、愛で満たされるのは運転手と乗客だけに留まりそうもない。5月12日に投稿された動画は5月21日現在で再生回数が90万回に迫り、急速に回数を伸ばしている。言葉はわからなくても心がほっこりとするこの動画、1度ご覧になってはいかがだろうか。

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