「謎の電車ガール」捜索に反響、一目惚れした女性探しをネットが後押し。

2010/05/18 18:52 Written by Narinari.com編集部

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英国で先日、偶然乗った電車で見かけた女性が気になり、一目惚れしてしまった男性がいた。電車には出かけた帰りにたまたま乗っただけで、再び彼女に会える確率はほぼゼロ。そこで男性は、友人と相談の上でFacebookに想いを告白し、情報提供を呼び掛ける行動に出た。すると、片想いに苦しむ姿が共感を呼んだのか、彼のページには世界中から1万4,000人近いサポーターが集まり激励。同時に男性が呼びかけたがんへのチャリティー募金も、目標額を上回るほど盛況となっている。

英南西部ブリストルに住む26歳のウェブデザイナー、キア・モファットさんが運命の女性(?)を目撃したのは、5月6日午後7時ごろのこと。その日、出先のカーディフから自宅へ帰るために電車に乗っていると、青いヘアバンドが目を引く1人の女性に心を奪われた。完全な一目惚れに何かきっかけを掴みたいと願い、「『彼女と話せ』『何かしろ』との想いに駆られた」(英紙ブリストル・イブニングポストより)モファットさんは、勇気を振り絞って声をかけてみることに。しかし、「電車についての質問をした」だけで短い会話は終了。何もきっかけを掴めぬまま女性と別れてしまう。

せっかく見つけた素敵な女性に何もできなかったことが悔しかったのか、その後、友人に想いを吐露。これを聞いた友人は「いいか、本当に知りたいと思える人は3人以上現れないって言われてるんだぞ」(英放送局BBCより)と背中を押した。女性を何とか誘いたい、すっかり気持ちが抑えられなくなったモファットさんは、すぐさまFacebookにページを立ち上げる。ページタイトルは分かりやすく、「Mystery girl with the blue head band on train home to Bristol 06/05/2010」。こうして、彼はネットで「Mystery Train Girl」(同)の情報提供を呼びかけることにした。

すると、26歳の青年が見せた真っ直ぐな想いは、当人の予想をはるかに超えて世界中の人々の心をくすぐってしまう。彼のページにはわずか1日で1,000人がメンバーとして登録。2日後の5月8日までには、2,000人へと膨れ上がった。その後も勢いは止まらず、5月17日現在で1万3,900人を超えるほどに。英国だけでなく「米国やオーストラリア、マレーシア」(英紙デイリー・メールより)からも、彼を応援する人が現れたという。しかし、想像以上の盛り上がりを見せる状況とは裏腹に、本人は次第に冷静な判断をするようになったようだ。

自分がどんなに必死でも、彼女は見つけられたくないと思うかもしれない――。そのことに気付いた彼は、あっさり情報の募集を撤回し、「謎の女の子は謎のままにさせてくれ」と、登録してくれたメンバーに呼びかけた。その意図を「私は単に彼女を誘う機会を望んだだけで、トラブルをもたらしたくなかった」と説明している。

しかし、話はこれだけでは終わらない。実は、モファットさんは集まったサポーターに、もう1つのお願いをしていた。「集まってくれた力を、何かいいものにしたかった」と、あらゆる寄付を受け付ける「Just Giving」というサイトにもページを開設。そこで、彼はがん対策への寄付を呼び掛けた。

「みんなが1ポンド(約130円)でも寄付してくれれば」との彼の想いを受けて、少額ながら寄付をする賛同者が続出。その結果、5月18日時点で、彼が目標と掲げた500ポンド(約6万7,000円)を大きく上回る945ポンド(約12万6,000円)の寄付金が集められている。

ちなみに、デイリー・メール紙は「とてもかわいい青いヘアバンドを買って、ブリストルへ移ろうかと思うの」と「Just Giving」に書き込んだ女性のコメントを紹介。意中の「Mystery Train Girl」との“再会”は果たせなかったが、彼に恋人ができる日もそう遠くないのかもしれない。

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