紙バンド読み取り腕時計を“試着”、拡張現実を駆使したサービス登場。

2010/05/16 15:27 Written by Narinari.com編集部

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いまやどんなものでもインターネットの通販で買える時代。特に実店舗で買い物をするのと大差ない商品の場合には、ネット通販で十分と感じている人は多いだろう。ただ一方で、高価な買い物やファッションアイテムのようなモノは、実際に質感や雰囲気を確かめられる実店舗にまだまだ分があるのもまた事実。しかし、そうしたポイントすらも、いずれ技術の発達によってネット通販に取って代わる可能性を感じさせるサービスを、スイスの老舗腕時計メーカー・ティソが始めた。

ティソが始めたのは自宅のパソコンで腕時計の“試着”ができるサービス(※動画は「Tissot Augmented Reality」//www.youtube.com/watch?v=BmogH4tp0Vw)。これまでもネット通販では、画面上に表示される数種類のアイテムの中から気に入ったものを選び、人型のモデルに“試着”できるサービスは存在していたが、今回始まったサービスが大きく異なるのは拡張現実の技術を採用し、自分が“試着”できるという点だ。

ユーザーはまず、ティソが配布する腕時計型の紙バンドを腕にまく。そしてウェブカメラのついたパソコンの前に座り、ダウンロードした専用ソフトに自分の映像を取り込むと、用意された28種類の腕時計のデータと紙バンドの部分を合成。実際に自分が“試着”しているような雰囲気を味わえるという仕掛けだ。もちろん質感や実際の装着感は画面からは伝わって来ず、また、現時点ではまだ“試着”から直接購入するまでの流れは確立されていないが、腕にはめた様子を鏡で見るように色合いなどを確かめられるだけでも、ネット通販の可能性の広がりを感じさせるサービスなのは間違いない。

ちなみに、画面上で“試着”した腕時計は360度どの角度からでも見られるほか、しっかりと正確な時間を示し、コンパスや温度計といった機能も試すことができる。また、“試着”しているところの写真を撮って、iPhoneなどに転送することも可能だ。

紙バンドは5月13日から2週間、英ロンドンのデパート「セルフリッジス」で無料配布されているほか、ティソの公式サイトでもPDFファイルを公開中。今回は腕時計の話題だが、この技術はほかのファッションアイテムにも応用できるだけに、今後、こうしたプロモーションを採用する企業は増えていくかもしれない。

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