中国でも愛されるサイゼリヤ、若者や外国人からも支持され行列絶えず。

2010/05/06 17:09 Written by Narinari.com編集部

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驚くほどのリーズナブルな価格でイタリアンを楽しめるとあって、不況の中でも順調に業績を伸ばしているサイゼリヤ。もともとは個人経営のレストランだったが、徐々に店舗を拡大し、いまや日本国内に800店強を構えるまでに成長している。

そんなサイゼリヤが「世界中の人々にも豊かな食を広めたい」との思いから中国に進出したのは2003年12月のことだ。上海に現地法人を設立し、国外初の店舗として中国1号店をオープンした。続く2004年には北京、2007年には広州にも現地法人をそれぞれ設立。同社ホームページによると、2010年4月現在、中国大陸内には合計51店舗(上海、北京、広州、深セン、恵州、蘇州)を構えるまでに拡大している。また、中国大陸以外に香港や台湾、シンガポールにも進出しており、今後もアジアを中心に店舗網を拡大していく意向だ。

このように飛ぶ鳥を落とす勢いで発展を続けるサイゼリヤだが、ナリナリドットコム中国特派員はこのたび、中国におけるサイゼリヤの人気ぶりを調べるべく、経済特区深センの繁華街にある同店を訪問。店内の雰囲気をレポートするとともに、店員や利用者に話を聞いてみた。


◎深センのサイゼリヤ

同店は2009年4月9日、深セン初のサイゼリヤとして若者が多く集まる東門歩行街にオープン。東門歩行街は服飾店や飲食店が数多く集まる同地最大の繁華街で、深セン初のユニクロも店舗を構えている。

この地区は高額な賃料であるにも関わらず、訪れる人々の一人当たりの消費額が低いことでも有名な激戦区。そのため、半年もしないうちに別のお店に入れ替わることも日常茶飯事で、深セン在住の日本人の間では当初「サイゼリヤの成功」を疑う声も出ていた。

しかし、客入りは月日が経つとともに増加し、昨年夏には市内に2号店をオープン。知名度の高まりとともに、中国の若者たちのハートと胃袋をしっかりと掴んでいる。


◎サイゼリヤのメニュー価格

サイゼリヤが盛況な理由は言うまでもなく、リーズナブルな価格と、高いクオリティの味を両立させていることにある。中国では一般的に「快餐」と呼ばれる中国版ファストフードが庶民の食事となっているが、サイゼリヤはその「快餐」と大差ない価格で料理を提供。「快餐」の予算は大体一人当たり10元〜15元程度(約137〜206円)だが、サイゼリヤも8元パスタや12元ハンバーグを提供しており、十分対抗し得る価格を実現している。また、内装が「快餐」店よりもオシャレなこと、「快餐」にはない豊富なデザート(5元〜)、ドリンクバー(6元)も人気の理由だ。

さらに、同市にはイタリア料理店が圧倒的に少なく、あるのはホテルのレストランや一等地の高級店ばかりという事情もサイゼリヤの人気を後押ししている。こうしたレストランでパスタを注文すれば、最低でも50元といったところ。中国の若者たちに「イタリア料理を身近な存在にした」という意味でも、サイゼリヤの貢献度は大きい。

話を聞いた同店の店員によると、「ランチ、ディナータイムは行列ができます」というほど、連日混雑しているそう。実際、特派員も平日の19時過ぎに訪れてみたが、入店までに20分ほど待たされた。その後も客足は絶えず、結局行列は20時半まで続くことに。店員は「土日はもっと混みますよ」とニッコリしながら教えてくれた。

ちなみに、中国のサイゼリヤのメニューは90種類程度。ピザ(18元〜)、パスタ(8元〜)、ハンバーグ(12元〜)と、そのほとんどが20元以下に抑えられている。所得格差が激しい中国。一概に平均消費額を論じることはできないが、同店では「一人当たり20元〜25元」(店員談)だという。そして人気メニューは「パスタとピザ」(同)らしい。

また、店内には外国人の姿もチラホラと見られた。中国ではイタリア料理はもちろん、西洋料理は全般的に割高となるため、深セン在住の外国人にとってもサイゼリヤは便利なレストランとなっているようだ。


◎サイゼリヤLOVEな中国人たち

この日、同店を訪れていた中国人の大学生に話を聞いたところ、サイゼリヤは「リーズナブルで美味しい」と高評価。買い物ついでに週1回は必ず来るそうで、気に入っている理由として「パスタとドリンクバー」の存在を挙げていた。しかしサイゼリヤが日本の企業であることは「知らなかった」という。

別の湖南省出身のある女性は「長沙(湖南省の省都)で(サイゼリヤを)開けば絶対に儲かる」と断言。それ以外にも、利用者から聞かれる言葉は良い評価ばかりだった。こうした言葉は中国人から滅多に聞かれないだけに、サイゼリヤがいかに成功しているのかを示す、ひとつの証拠と言えるのかもしれない。



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