5歳の息子に母乳を与え続ける母親、周囲は厳しい目も「間違ってない」。

2010/05/04 15:45 Written by Narinari.com編集部

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母乳から通常の食事へと切り替えるためにも、子どもが成長していく中で必ず通る過程の離乳。厚生労働省のガイドラインでは、生後5〜6か月頃から始め、12〜18か月程度での完了が目安とされているが、当然ながら個人差はあり、通常の食事と並行ながら、求める子どもに応じて2歳、3歳と与え続ける母親もいるようだ。しかし、「大半は6か月で離乳させる」(英紙デイリー・ミラーより)との目安が一般的の英国では、5歳の息子に母乳を与え続けている母親が話題を呼んでいる。周囲からは疑問視する声も聞こえてくるそうだが、当人は「何も間違ってない」と、今後も授乳を続ける意向だという。

この女性はサウスヨークシャー州バーンズリーで5歳の息子を育てている29歳の母親、アマンダ・ハーストさん。英国において5歳まで母乳を与え続けているアマンダさんの行動は珍しいケースらしく、周囲からも厳しい目を向けられているそうだ。息子のジョナサンくんは、現在は普通の食事もしているが、「チョコレートを食べるような楽しみ」で求めてくる息子に、アマンダさんも「自然なこと」と応じている。

当初、彼女自身も「6か月までと思っていた」(英放送局BBCより)我が子への授乳。しかし、続けているうちに「それから1年までと思い、その後も止まらなかった」と話している。いつの間にか「止めて欲しくない」(デイリー・ミラー紙より)と感じるようになったアマンダさんだが、月日を重ねる中で周囲からの視線も感じていたそう。2歳のとき、家族で行ったレストランでジョナサンくんの求めに応じ、授乳したアマンダさん。そのとき、隣のテーブルに座っていた3人の女性は「何も言わずに頭を振り、舌打ちをした」という。また、アマンダさんの母親に「おかしいと思う」と話す人もいるらしい。

こうした空気をジョナサンくんも感じ取るようになったのか、彼が3歳のときに図書館で授乳しようとしたところ、初めてこれを拒否。「とてもショックを受けた」そうだが、自宅ではその後もジョナサンくんは求め続け、現在は家の中で「我々の間の特別な物」として、授乳を続けているそうだ。

周囲の目を充分理解している上で与え続けることに、アマンダさんは「彼が自分自身で人生の選択をするべきと、固く信じている」(BBCより)と主張。ジョナサンくんのほうから、自然に乳離れすることを望んでいるようだ。この考えを夫のロイさんも尊重している。

常識に捉われず「私は正しいことをしている」(BBCより)と、はっきり口にするアマンダさんについて、子どもを持つ女性のための団体「National Childbirth Trust」で母乳カウンセラーを務めるヘザー・ウェルフォードさんも、その行動に理解を示している。現在の欧州文化の中では5歳までの授乳は珍しいものの、歴史的、そして他国ではまだ見られる光景であることに言及。その上で、「6か月で離乳を勧める専門家」の意見に「正しくない」と反論し、「どんな年齢でも、心理的にも身体的に、母乳を与えて母子に害があるという証拠はない」(同)と話している。

今はまだ甘えん坊のジョナサンくんだが、アマンダさんのお腹には2人目の子どもが7か月目を迎えており、もうすぐお兄さんになる予定。「乳歯が抜けるとか、彼がおっぱいを飲む能力を無くすときに授乳を止めるだろう」と見ているアマンダさんだが、彼女の願いに反して、“そのとき”は新たな家族が増えるタイミングでやって来るかもしれない。

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