生徒の喫煙やケンカは「教師に罰金」、中国の学校規則が物議醸す。

2010/05/03 06:36 Written by Narinari.com編集部

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中国湖北省武漢市のある中学校で実施されている規則が、中国のネットで物議を醸している。規則の大まかな内容は、生徒が何か問題を起こしたクラスの担任教師から罰金を徴収し、責任を取らせるというもの。中国では珍しい規則のため、多くの人の関心を集めているようだ。

中国ニュースサイトの教育報道によると、この規則は「班主任管理細則」と呼ばれ、担当したクラスの生徒が喫煙や飲酒、ケンカをした場合は10元(約140円)、落書きやゴミの投げ捨てをした場合は5元(約70円)の罰金が担任教師に科される旨などが記されている。

同校で20年余り教師を務めている女性の話では、この規則に従い、3月だけで18人の教師のうち実に14人が罰金を支払わされたそう。また、これに嫌気が差して退職した教師もいるという。

彼女自身も「金額は小さいが、このような方法は受け入れにくい」と不満をもらしているほか、別の教師も「劣等生が多いクラスの担任は必然的に罰金を支払わされる確率が高くなる」と、規則の“不平等さ”に言及。全体的に教師たちは否定的な立場のようだ。

それにしても、なぜこのような教師側の責任を罰金という形で問う規則ができたのだろうか。「班主任管理細則」の提案者のひとりである副校長は「規則は教師に支給される手当への“査定”も兼ねている」と説明している。教師には年1回手当が支給されるが、支給額は月換算で160元〜500元(約2,200円〜6,900円)と幅広い。そこでこうした規則を作り、教師間に給料差をつけるために役立てたいと考えているようだ。

さらに、副校長は教師がこの制度に不満なのは「世間体」の問題であり、「罰金を科されることは彼らにとって仕事を否定されたことにつながるから」と分析。そのため、この規則の存在は学生には一切知らされておらず、教師の体面を保つように配慮はしているという。また、規則が原因で辞職したと言われている教師に関しては「(辞職した理由は)それだけが原因ではない」と反発している。

この報道を受け、中国のネットでは「罰金が安すぎる」「校長が責任を負わないのはおかしい」「教師は万能ではない。管理できないことだってある」など賛否両論。ただ、副校長は規則の継続を表明していることから、同校教師たちの不満は今後も募ることになりそうだ。

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