SNSを通じて市長が腎臓提供、移植手術が必要な男性の嘆願にすぐ呼応。

2010/05/02 11:33 Written by Narinari.com編集部

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米コネティカット州イーストヘイブンに住む44歳のカルロス・サンチェスさんは糖尿病を患い、医者から「腎臓が機能していない」との宣告を受けていた。そのため移植手術に救いを求め、友人から提供を受けられないか適合検査をしたところ、全員が無理と判明。困った男性は、自分のFacebookのページに事情を書き込んで提供者となる人が現れないか、一縷の望みを託した。するとすぐに要請に応えてくれた人が現れる。その人は、自分が住む街の市長だった――。  

米放送局ABC系列のWTNHなどによると、コネティカット州イーストヘイブンに住むカルロス・サンチェスさんは糖尿病を患い、昨年、医者から腎臓移植を受けるよう進言されていたものの、ドナーが見つからずに頭を悩ませていた。サンチェスさんにとって不運だったのは、通常適合の可能性が高いと言われる家族が「同じように糖尿病を抱えている人がいるので、ドナーから除外」(米紙ニューヘイブン・レジスターより)されてしまったこと。周囲の友人らにお願いして検査を受けてもらっても、残念ながら適合者が現れなかった。

すぐにでも人工透析を受けなければならない状態になっていたサンチェスさん。そこで医者は、待機リストへ載せる前に可能性を尽くしてみようと、1つの提案を行った。「ソーシャルメディアを利用して、友人らに提供が必要と知らせてみてはどうか」。これに当初サンチェスさんはあまり気乗りしなかったそう。しかし、提供者がいつ現れるかわからないとばかりに医者が強く勧めたため、サンチェスさんは自分のFacebookページを更新する。

すると彼の希望が通じたのか、すぐにメッセージが届いてビックリ。しかも送り主が彼の住むイーストヘイブンの市長と知り、サンチェスさんは「冗談を言っているのかと思った」(米紙ワシントン・ポストより)と困惑。たじろぐサンチェスさんがメッセージに応じないでいると、市長はさらに「検査するには誰と話したらいいの?」(ニューヘイブン・レジスター紙より)とメッセージを畳みかけ、意気込みは本気そのものだった。

35歳の女性ながら首長のポストに就いたカポネ・アルモン市長は、1,600人以上のフレンドを持つほどFacebookを活用。その1人だったサンチェスさんの更新に気が付くと、「理由はわからないけど、最初から提供者になるように感じ」(ワシントン・ポスト紙より)、すぐにコンタクトを取ったそうだ。このとき、2期目の当選に向けて選挙運動中だったそうだが、誰にも知らせぬまま予定を縫うように数回の検査を実施。その結果、市長の“読み”は当たり、提供者として適合の判定が下った。

その後選挙にも見事当選したアルモン市長は、サンチェスさんと4月8日に手術を受け、無事腎臓が移植された。市長には感謝の気持ちでいっぱいだというサンチェスさん。一方の市長は1週間未満で退院、すでに公務に復帰し「何も特別なことはない。誰でもこのようなことはできる」(ワシントン・ポスト紙より)とさらりと語っている。

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