50年前のお菓子のつまみ食いを謝罪、当時のバイト先オーナーは大笑い。

2010/04/24 19:46 Written by Narinari.com編集部

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人は誰しも過ちを犯す時がある。しかしその大小に関係なく、いかに自らの過ちを反省するのか、犯した後の行動でその人の真価が問われるものだ。英国に住む65歳の男性は、過去に自分が犯した過ちに苛まれていた。彼の過ちとは、15歳のときにアルバイトをしていた喫茶店で空腹に耐えきれず、店にあったお菓子1箱を食べてしまい黙っていたこと。ずっとこの行動を後悔していた男性は意を決して当時の経営者を探し出し、50年経って真相を告白、謝罪した。

英紙デイリー・メールなどによると、いまから50年前、15歳のジョン・ビビー少年は夏休みを利用し、ヨークシャー州スキップシーの喫茶店でアルバイトをしていた。そこは海辺の行楽地にあり、観光シーズンの夏は多くの客で賑わい大忙し。オーナーだった当時29歳のレスリー・シンプソンさんは、ビビー少年以外にも夏休み中の学生らを雇い、店を切り盛りしていたという。一生懸命働いていたビビー少年だが、そこでその後長い年月にわたって胸にモヤモヤを残す問題を起こしてしまった。

ある日、仕事場で空腹になったビビー少年。すると店に置いてあった「ジャファケーキ」と呼ばれるお菓子の箱が目に入った。甘い物が大好物のビビー少年はオレンジ風味のお菓子に心奪われ、「1つだけもらおう」(英紙デイリー・テレグラフより)と思い手を伸ばすと、いつの間にか1箱分ぺロリ。店の物を拝借した後ろめたさから、ビビー少年はその事実を「決して誰にも話さなかった」という。こうしてビビー少年の犯した過ちは誰にも知られないまま、自分の胸にしまい込まれることになった。

それから50年。教師の仕事も定年まで勤め上げ、現在65歳となったビビーさんは、正しく立派な人生を積み重ねてきたと自負していた。ただ一点を除いて――。

「私の心にまだ突き刺さっていた」という50年前の過ち。そこで、ビビーさんはこれを清算しようと決意した。当時働いていた喫茶店はすでに閉店。しかし、1972年に店を売却したあと、アーティストとなっていた元オーナーのシンプソンさんをなんとか探し出すと、チャットでのやり取りを経て、再会の約束を取り付ける。

再会の日、ビビーさんは現在シンプソンさんが住むバーバリーまで、50マイル(約80キロ)の道のりを車で飛ばした。当時自分が食べてしまった1箱5ペンス(約7円)の「ジャファケーキ」の代わりに、今は92ペンス(約130円)で売られている同じ商品を持参して再会。そして対面するなり、ビビーさんはいきなり「告白することがある」と、本題を切り出したという。

差し出された「ジャファケーキ」とともに、真相を知らされたシンプソンさんは「そんなこと、全然知らなかった」とポカン。さらに「ビビーが誰だったのか、正確に思い出すのも難しい」(英紙デイリーメールより)と、存在自体もうろ覚えだったようだ。しかし、当時雇っていた学生たちが若くてやる気に満ちた良い子たちだったことは覚えていたシンプソンさんは、彼もまたそのうちの1人だったと確信しているという。

結局、「彼の表情から、これまでずっと私に言おうとしていたのだろう」と、ビビーさんの思いを汲み取ったシンプソンさんは、謝罪を大笑いで水に流した。それから当時の思い出を語り合った2人は、ほかの仲間たちとも会おうと計画。来月80歳を迎えるシンプソンさんの誕生日に向け、2人はスタッフや常連客を探し出し、パーティーを開こうと準備しているそうだ。

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