他界した飼い主を見守った愛犬、1週間寄り添い通行人に助けを求める。

2010/04/20 15:40 Written by Narinari.com編集部

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従順な性質から、ペットとして大人気の犬。愛情を注げばそれ以上の親しみを持って飼い主になつき、家族や恋人のような感情を持って育てている人も少なくないだろう。そして多くの愛情を注げば、犬は行動でしっかり返してくれるものだ。先日、米国の81歳の男性は、飼っていた犬を連れて外出中、そのまま行方不明となった。行動を把握していなかった親族はチラシを配るなど必死に捜索したものの、1週間近くが過ぎた4月14日に男性は遺体で発見。その間、愛犬は男性の傍らで見守り続け、じっと助けを待っていたという。

オハイオ州に住んでいた81歳のパーリー・ニコルズさんは、5〜6年前に妻の求めに応じ、ゴールデンレトリバーの「レディ」を飼い始めた。6か月で夫婦のもとにやってきたレディは、2人の愛情を一身に受け成長。しかし、2006年に妻が亡くなると、ニコルズさんはレディを妻の代わりとばかりにかわいがった。出かけるときは常に一緒、息子の嫁にあたるメアリーさんが「文字通り、彼の“レディ”だった」(米紙カントン・リポジトリーより)と語るほど、仲が良かったそうだ。

そんなニコルズさんとレディは4月6日、近所の人にその姿を目撃されたのを最後に行方不明となってしまった。4月8日、行方不明を知ったニコルズさんの子どもや孫ら家族は警察に通報。同時に、自分たちでも「チラシを配る」(米放送局NBC系列WKYC-TVより)などして、ニコルズさんの捜索を続けた。しかし、2人の息子夫婦に12人の孫、10人の曾孫を抱えるという家族が付近を探しても、ニコルズさんは発見できなかったという。

そして4月14日の夜、ニコルズさんの消息が突然もたらされた。自宅からおよそ1マイル(約1.6キロ)離れた湿地帯で、付近を通りかかった通行人が鳴き声を聞いて駆けつけたところ、犬のそばで横たわったニコルズさんの姿を発見。その後の調べで、ニコルズさんは心臓や肺の病気により、外出した日か間もなくして亡くなった可能性が高いことがわかった。

家族は発見場所から100ヤード(約90メートル)近くまでは探していたが、彼らの存在には気付かなかったそう。しかし、その間もレディは「恐らく、近くの排水溝の水を飲み」(WKYC-TVより)ながら、ニコルズさんにぴったりと寄り添い、助けてくれる人が通りかかるのを待っていたと推測されている。そして1週間後、ようやく人に気が付いたレディは「鳴き声を上げ始めて」(同)、ニコルズさんの存在を知らせることとなった。

現在は曾孫たちに迎えられ、順調に回復を見せているレディ。天国へ旅立ったニコルズさんも、最愛の“レディ”に見送られたのは幸いだったと思っているかもしれない。

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