「お婆ちゃんに戻れって言われた」湖に落ちた3歳の男の子が3時間後に蘇生。

2010/04/12 20:19 Written by Narinari.com編集部

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誰もがいずれは寿命を終え、現世を離れてあの世へと旅立つ。1度向こう側の世界に足を踏み入れたら最後、その道のりは一方通行だ。しかし、まれに再びこちらに帰ってくるという、いわゆる臨死体験をする人もいる。「花が咲き乱れる草原にいた」「三途の川の向こうに、先に亡くなった身内がいた」など、体験談として語られる内容はどれも本人以外には確かめようのない不思議なものばかりだが、そんな奇妙な体験を、3歳にして味わってしまった男の子がドイツにいるという。

ドイツ紙ビルドによると、ポールくんと明かされているこの男の子は、リヘンに住む祖父母の家に遊びに行っていた。ベルリンの北に位置するリヘンは、街の周りにいくつもの湖が存在する湖畔の街。水辺のそばにあったという祖父母の家の庭で、この日ポールくんは1人で遊んでいたという。ところが祖父が気付いたとき、あろうことかポールくんは水の中。急いで陸にあげられたポールくんだったが、そのときすでに意識不明の状態に陥っていた。

「過去に応急処置のトレーニングを積んだ」(英スカイニュースより)ポールくんの父親が、懸命に人工呼吸と心臓マッサージを施すも、冷たい水に沈んだポールくんの容体は改善の兆しが見られない。「祖父は、彼が水の中で死んだと思った」とも伝えられており、この時点でポールくんは意識を失っていただけでなく、心臓も停止していたようだ。

ポールくんはすぐにベルリン郊外の病院へとヘリコプターで搬送され、そのまま集中治療室に。3歳の男の子の命を取り戻そうと、4人の医者が懸命な対応を行ったという。一向に動き出さない心臓にも、わずかな可能性にかけて蘇生を試みた医師たち。彼らは、ポールくんが冷たい水の中に落ちたことに、希望を抱いていた。このときのポールくんの体温は28度で、人間の平均体温に比べればだいぶ低めだったためだ。低体温で体の代謝活動を鈍らせたことが蘇生への可能性を高めたそうで、「体温がもっと高かったら、チームは40分で蘇生処置を諦めていただろう」と、スカイニュースは伝えている。

そして心停止から3時間18分、医師たちもさすがに諦めかけたときに、ポールくんの心臓は再び鼓動を打ち出した。それは病院の医師も「30年間仕事してきたが、こんなこと見たことない」という奇跡の回復。しかも、ポールくんは何の後遺症も残らず、今はすっかり元気を取り戻しているという。男の子の命を救ったのは、父親や医師たちの懸命の努力の結果であることは間違いないが、実はそれだけではないらしい。

意識を取り戻したポールくんは、両親に「天国でおばあちゃんのエミに会ったよ」と話したそう。エミさんはポールくんの曾祖母にあたる人で、心臓が止まっている間に天国でエミさんと出会い、「早く戻れって言われた」と語ったという。もしポールくんの体験が“ホンモノ”だとすれば、この世とあの世の両方から後押しを受けて、見事に生還を果たしたと言えるのかもしれない。

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