「家の中で裸」目撃され逮捕の男性、陪審員らは20分足らずで無罪の判断。

2010/04/11 13:12 Written by Narinari.com編集部

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米国で昨年10月、自宅で裸になっていた男性が、その姿を通行人に目撃され逮捕されるという事件が話題を呼んだ。この男性は昨年12月に行われた裁判で公然猥褻罪で有罪とされたものの、判決を不服として上訴。そして4月7日、今度は陪審員らに判断を委ねた結果、男性は無罪の評決を勝ち取った。半年間戦い続けた男性は、6か月間のしかかっていた重圧から解放され、ホッとしているという。  

この事件の主役となったのは、バージニア州に住む29歳の男性。昨年10月19日朝早く、男性が裸のまま台所でコーヒーを飲んでいたところ、学校へ子どもを送るため男性の家の近くを通りかかった女性がその姿を目撃してしまった。女性は「故意に露出している」として警察に通報。男性は自宅内だったにも関わらず、公然猥褻容疑で逮捕されることになった。

逮捕された男性は、「裸だったのは全くの偶然で、何も間違ったことをしていない」と一貫して主張。一方目撃した女性は、台所の窓など複数の場所から男性が裸を露出していたと話したことから、警察が「故意の露出」と認定し、男性は容疑を否認したまま、昨年12月に裁判を迎えた。この地方裁判所での判決は有罪で、米紙バージニアン・パイロットによると、「公然猥褻罪の判決は下ったが、懲役も罰金も科されなかった」という。いわば、男性の行動に対するお咎め的な判決だが、男性は罪の記録が残るとして上訴を行った。

これにより、裁判は「7人の陪審員が審理する」(米放送局CBS系列のWTVR-TVより)フェアファクス郡巡回裁判所に持ち込まれ、再び被告の男性と検察が対決。この中で検察側から、裸を目撃したとされる女性2人が証言を行った。最初の目撃者は、この日朝6時40分頃に男性の家のそばを車で通りかかった際、「大きなうめきと酔った歌声」を聞き、警察に連絡したという。また子どもを送る途中だった2人目の女性は、彼が女性にアイコンタクトを送った上、子どもを指さして追い払うような仕草をしたと主張。これらの証言から、検察は「これは意図的な露出のケース」(バージニアン・パイロット紙より)と判断したとしている。

これに対し、男性は「単に裸で家の中をうろつき、出かけるために荷物をまとめ、裸で朝食を作っていただけ」(米紙ワシントン・ポストより)と話し、「悪気のない行動だった」と容疑を否認。女性たちにアイコンタクトはおろか、認識もしていなかったとして、「もし見られたと分かってたら、パンツを履いて謝罪に向かっただろう」と証言したという。また弁護士が現場で撮影した写真を女性に見せ、実際の目撃場所が証言した場所よりさらに距離があったと指摘。アイコンタクトをしたとの女性の証言を、一笑に付したという。

こうした双方の主張を確認した7人の陪審員らは、午後2時55分に審議を始めると「20分以下」という短い時間で無罪の評決を下した。陪審員の1人は「簡単だったわ」(MyFOXヒューストンより)と語り、中には「いくつかの証言では、笑いをこらえるのに苦労した」という陪審員も。完全に検察を圧倒して無罪を勝ち取った男性は、「事件からの半年、信じられない重圧がのしかかった」と語り、安堵した様子だ。しかし、男性は無罪を勝ち取った代わりに「恐らく、1万ドル(約93万円)から1万5,000ドル(約140万円)の裁判費用」(ワシントン・ポスト紙より)がかかったそう。もう簡単には自宅でも裸になれないのかもしれない。

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