強盗と被害者の奇妙な関係、自分襲った強盗を「師匠」と仰ぎ強盗に。

2010/04/07 15:49 Written by Narinari.com編集部

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強盗の被害者だったのに、“偶然の再会”をきっかけに自分も強盗になってしまった――。襲われる恐怖や、金品を奪われた悔しさを味わったことで憎しみが強くなるはずの犯罪に、自ら手を染めていった男がいる。なぜ、男は間違った方向へ人生の舵を切ってしまったのだろうか。

中国紙重慶晩報によると、この男は中国・重慶市でバイクタクシーの運転手をしながら平凡な生活を送っていた45歳の趙という人物。趙が事件の被害者となったのは2009年4月、強盗にナイフを突き付けられ、バイクタクシーで稼いだお金と携帯電話を奪われてしまった。そのときは抵抗することもなく言いなりになった趙だが、後日、運命のイタズラか、再び同じ強盗に遭遇することになる。

その強盗は20歳にも満たない若い人物だったそうだが、またしても金品を奪い取ろうとした強盗に、趙は「前に俺から金品を奪っただろ?」と興奮しながら詰め寄った。驚いた強盗は通報を恐れてすぐさま逃亡を図ったが、実は趙に通報する気などまったくなく、強盗に「自分も仲間に入れて欲しい」と懇願したという。

驚きのオファーを受けた強盗は、人手が増えれば稼ぎも大きくなると判断したのかもしれない。趙に“羅”という自分の名前を教え、「武器を持っていれば普通の人は怖がる。人を傷つけさえしなければ刑は軽くなる」など、さまざまなノウハウを伝授したそうだ。以来、二人は協力していくつもの強盗事件を起こすようになった。

趙と羅のコンビ体制になってから初めての事件は2009年5月9日。二人は350元の現金と携帯電話を奪い取ることに成功した。その後も二人は協力して強盗を続け、2日間のうちに4件のタクシー強盗を犯したという。しかし後日、羅が警察に捕まり、「師匠」逮捕のニュースを知った趙も自首することに。そして今年3月、二人にはそれぞれ15年、10年の懲役刑が言い渡された。

ちなみに、趙が強盗に師事してまで強盗に手を染めるようになった理由はいたって単純。「バイクタクシーよりも簡単に稼げるから」。強盗1件でバイクタクシー数日分の稼ぎを得られることに惹かれたそうだ。

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