「机に落書きで逮捕」の12歳少女、学校と警察の対応を巡り損害賠償求める。

2010/04/06 14:25 Written by Narinari.com編集部

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米国で今年2月、学校の生徒への対応が物議を醸す事件が起きた。ニューヨークの中学校で、机に「友だちのアビーとフェイス、大好き」と落書きした少女を教師が警察に通報。少女は親が迎えに来るまでの数時間警察に拘束され、さらに学校から停学処分も受ける羽目となったのだが、このときの学校と警察の対応は「行き過ぎ」として、少女と母親はニューヨーク市に100万ドル(約9,400万円)の損害賠償を求める訴えを起こすという。

この事件は今年2月1日、ニューヨーク市クイーンズ地区にあるフォレスト・ヒルズ中学校で発生したもの。12歳のアレクサ・ゴンザレスちゃんは授業中、水性マーカーで机に落書きしたところを教師に見つかった。するとこの教師が、「学校の物に対する器物破損」としてアレクサちゃんを警察に通報。やってきた警察も事情をしっかり把握しないまま、アレクサちゃんに手錠をかけて連行し、警察署に数時間拘束した。

クイーンズ地区の学校では、以前にも同様の対応で子供が逮捕されたケースがあるとされているが、よく調べずに逮捕した警察と、停学処分まで下した学校の対応に母親は憤慨。アレクサちゃんは今まで真面目な生徒として学校に通っていただけに、この対応は酷過ぎると話していた。

ただ、ニューヨーク市の関係者は2月の時点で「逮捕は間違いだった」(米紙ニューヨーク・デイリーニューズより)とコメント。そこでアレクサちゃんと母親は、今回の対応が「行き過ぎた実力行使と彼女の権利を侵害した」として、ニューヨーク市に100万ドルの損害賠償を求める予定だと、ニューヨーク・デイリーニューズ紙は伝えている。

また、同紙は、ニューヨーク市警の関係書類から明らかにされたという、当時の学校側の具体的な対応にも触れている。落書きを見つけられたアレクサちゃんは校長室へ連れて行かれ、教師と教頭からジーンズのポケットに手を突っ込まれるなどの「身体検査」を受けたそう。そして駆けつけた警察官は、消せる落書きであることを知らされずに「逮捕するよう勧められ」、手錠を掛けられた姿を同級生らにさらすことになった。

さらに話を知った母親の「娘と一緒に警察へ」との申し出も一蹴。家で連絡を待つよう指示され、アレクサちゃんは母親が迎えにくるまでの2時間以上の間、手錠をポールに繋がれた状態で拘束されたそうだ。

今回のアレクサちゃんらの意向はすでに弁護士から市側に通知。ジョセフ・ローゼンタール弁護士は「将来、ほかの子どもたちに起きないようにしたい」と、訴えを起こす意義を語っている。

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