輸送車から落ちた現金で騒動、警察が必死の捜索も約半分は見つからず。

2010/03/28 17:08 Written by Narinari.com編集部

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もし道に大金が落ちていたらどうするか。金額の大小に関わらず、警察に届けるのは当たり前のことだが、世の中には自分の懐に入れてしまう人もいる。先日、米国では交差点に20万ドル(約1,800万円)が落ちていたことに端を発する騒動が起きた。そのお金は、交差点を通過した現金輸送車からなぜか落下したもの。通報を受けた警察が対応にあたり、現金の回収に奔走しているが、このうち9万ドル(約830万円)は発見されておらず、きちんと届け出るよう呼び掛けている。

米放送局NBC系列のWCMH-TVによると、この一件が起きたのはオハイオ州コロンバスにある交差点でのこと。3月24日の午前8時18分頃、現金を輸送していた警備会社の車の後部ドアがなぜか開いてしまい、積んでいた現金入りの袋1つを落としてしまった。警察の発表によると、その額は20万ドル以上と見られているが、ドライバーは落としたことに気が付かず、そのまま現場を走り去ってしまったという。落ちたときに袋が破れ、現金が交差点内に散乱した状態となったため、「人々がお金を拾おうと争う」(米放送局CBS系列のWBNS-TVより)ことになってしまったそうだ。

米紙コロンバス・ディスパッチは、駆けつけた警察官により現場で約10万ドル(約900万円)は回収され、拾った人のうちの10人、計1万2,000ドル(約110万円)が警察に直接届け出られたと伝えている。しかし、残りの約9万ドルは依然発見には至っていない。警察は、現場に駆けつけた際に多くの住民が拾っている状況を目撃していることから、「まだ間に合う」と、拾ったお金を届けるよう呼び掛けている。

捜査にあたっている警察関係者は、現場で「20人近くの人を見た」と証言。お金を持ち去った人に対しては「気持ちは理解できる」としながらも、「5ドルが落ちているのとは訳が違う。どうして逃げられるのか」と、届け出ることを強く求めている。また、警察は少なくとも「今後2か月は探し続ける」と、回収に全力を挙げる方針を表明。近隣の店にある防犯ビデオや、目撃した人が撮影した携帯動画の提供を受け、持ち去った人の割り出しを進めているそうだ。

しかし、WCMH-TVは「拾った」と堂々と認める女性の存在を伝え、「住民の間では、事故がちょっとした面白い会話として見られているに過ぎない」と、罪の意識が薄い点を指摘。コロンバス・ディスパッチ紙の取材に答えた50歳の男性は、今でも現場周辺を「目を皿のようにして見ている」「天の恵みを拾って、どう罰せられるって言うんだ?」と話したという。

お金を落とした警備会社も、最高2万5,000ドル(約230万円)の報酬で情報提供を呼び掛けるなど必死。今後どれだけの現金を回収できるかは不透明だが、今回の一件は、警備会社にとってお金も信用も失う大損害になってしまったようだ。

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