8年間に50回も警官が訪れる家、犯罪とは無縁の生活を送る老夫婦は困惑。

2010/03/19 15:31 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


社会の秩序安定と市民の平和を守り、悪人を取り締まるはずの警察に、なぜか悩まされ続ける老夫婦がニューヨークにいる。83歳の夫と82歳の妻が暮らす犯罪とは無縁の家に、2002年以降いろいろな事件の捜査で警察官が繰り返し訪問。その回数は少なくとも50回にも及ぶという。時間を問わず突然来訪する警察のせいで、夫は体調を崩すときもあるそうだ。

米紙ニューヨーク・デイリーニューズによると、この夫婦はニューヨーク・ブルックリン地区に住むウォルター・マーティンさんとローズさん夫妻。2人は子どもたちの近くにと、1997年に現在の家へ転居し、善良な市民として平穏な生活を送っていた。しかし2002年になって突然、夫婦の家に裁判書類や逮捕状といった身に覚えのない郵便物が届き始め、それと同時に事件の捜査で警察官がやってくるようになったという。

しかも、警察官たちは特定の事件を継続捜査しているわけではなく、さまざまな事件の容疑者などを探そうと、夫婦の家に訪問を繰り返している。中でも、夫婦が「最も奇妙に思えた」事件が起きたのは、2006年10月10日のこと。連れ子の14歳の娘に性的行為を働いたとする元警官を捜索するため、警察はここでも夫婦の家をターゲットにした。このときはFBI(米連邦捜査局)の捜査官も加わっていたそうで、夫婦は訳も分からぬまま大がかりな捜査に巻き込まれてしまった形に。

「これは、私にはどうすることもできない」と話すウォルターさんは、3年前にニューヨーク市警本部長やニューヨーク市長に嘆願の手紙を書いたそう。それでも問題は解決せず、未だに警察がやってきては応対に追われている。

多いときには週3回も警察が夫婦の家を訪問し、最近では3月16日の朝7時半にドアを叩く音で夫婦は起こされた。多くの警察官はすぐに問題のない家と分かると丁寧な対応をするそうで、その日も状況を理解した警察官に対し、ウォルターさんは「あなたが初めてじゃないよ」と皮肉の一言。さらに続けて「50回から75回くらいは、人を探しに警察が来たかな」と話すと、驚く様子を見せたという。

一向に解決しない問題に、ウォルターさんも血圧が上がって体調不良になることがあるようで、警察の早急な対策があって然るべきところ。ところが、警察側は「なぜそうなっているのか、把握する必要がある」(ニューヨーク・デイリーニューズ紙より)と話すのみで、現在までに明確な理由は掴んでいないようだ。

ただ、警察のデータベースには夫婦の住所がさまざまな案件に絡んで、49ページも文書が作成されていることが明らかにされ、ニューヨーク・デイリーニューズ紙は、ニュース検索で「ほかに15人がそこに住んでいる」という結果を得たとしている。もちろん、夫妻はその中の誰1人として知らないそうだ。

しばしば訪れる不穏な問題に、夫婦は現在も不安な日々を送っている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.