倒れた妻の救急要請中に夫も倒れる、仲良し夫婦に訪れた“最期の時”。

2010/03/16 21:46 Written by Narinari.com編集部

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愛情表現のひとつとして使われる「死ぬときも一緒」という言葉。現実的には愛する人とほぼ同時に寿命を全うするのは極めて難しいことだが、世界からはときどき、ほぼ同じタイミングで亡くなった夫婦の話題が伝えられることもある。英国では昨年、61歳の妻が倒れ、56歳の夫が救急車を要請している間に息を引き取るというケースがあった。2人は最後まで愛し合っていたかのように、体を重ねた状態で発見されたという。

英紙サンダーランド・エコーによると、この2人は当時56歳だったスチュワート・ホイットフィールドさんと、61歳だった妻オルガさん。ともに離婚を経験している2人は3年間の交際期間を経て結婚し、その生活も15年目を迎えていた。昨年5月のオルガさんの誕生日には、スチュワートさんが「世界一の妻である私のオルガに、たくさんの愛を込めて」(英紙デイリー・ミラーより)とカードを贈るほど仲の良かった2人。親族も「尽くし合い、常に幸せだった」と認めていた夫婦に、突然の出来事が起きたのは昨年10月18日のことだった。

「恐らく2階で寝ていたであろう」(サンダーランド・エコー紙より)スチュワートさんは、キッチンでオルガさんが倒れる音を聞いたとされている。急いで妻のもとに駆け寄ったスチュワートさんは、動かないオルガさんを見て、取り乱しながら救急要請の電話をかけた。連絡を受けた当局は救急車を出動させる一方で、オルガさんの様子をスチュワートさんに確認。息をしていないと分かると、電話越しに心肺蘇生の方法を伝え、スチュワートさんは聞いた通りに必死に行動していたようだったという。ところがやり取りを始めてわずか数分後、電話口からスチュワートさんの声を全く聞くことができなくなってしまった。

それから間もなくして救急隊が夫婦の家に到着。呼び出しに応じないため郵便受けから中の様子を覗くと、キッチンに横たわる2人の足が見え、救急隊は窓を割って家の中に入った。

そこで目に飛び込んできたのは、「どちらにも生命反応がない」ようだった2人の姿。その後、オルガさんは急性腎感染症、もともと心臓が良くなかったスチュワートさんは、ショックやストレスによる心臓まひによって息を引き取ったことが分かったという。

最後の瞬間こそ苦しみはあったかもしれないが、最愛の人と一緒に天に召された2人。今はまた、仲良く一緒に過ごしているに違いない。

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