中国のずさんな結婚登記管理、7人の男性と「合法」的に重婚した女性。

2010/02/16 14:36 Written by Narinari.com編集部

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人口に占める男女比のバランスが悪く、男性のほうが圧倒的に多い中国では、近年、男性の結婚難が話題に上る機会が増えている。そうした結婚難につけこむ形で、女性による結婚詐欺事件も増加傾向にあり、特に大都市部では多発している状況だ。先日、結婚詐欺の容疑で逮捕されたある女性は、7人もの男性と偽装結婚してお金を巻き上げていた。しかも調査から判明したのは、結婚登記のずさんな管理体制を利用した「合法」的なものだったという。

中国のニュースサイト正義網によると、昨年12月30日、37歳の覃玉嬌は2人の男性とホテルから出てきたところを逮捕された。この2人の男性はともに彼女の配偶者で、1人は陳さん、もう1人は李さん。2人は彼女が自分たちと偽装結婚していたことを知り、警察に相談していた。

陳さんによれば、彼女とは友人を通じて知り合い、10日程度の交際でスピード結婚。礼金(日本で言う結納金のようなもの)として5,000元(約6万5,000円)を支払い、2009年10月26日に結婚証明書を受け取った。しかし、それから2週間程度が過ぎた11月14日、彼女は「実家の農作業を手伝いに帰る」と言い残し、そのまま失踪。以来、彼女と会うことはできず、陳さんの結婚生活はたった1か月で終止符が打たれた。

そして11月25日に、陳さんは携帯電話で1通のショートメッセージを受信する。そこには「もしかしたら私たちは結婚詐欺に遭ったかもしれません。私と覃玉嬌は2008年5月15日に結婚しました。結婚証明書の番号は082649号です」と書かれていたという。差出人の名前は李さん。以前、覃玉嬌の件で連絡を取ったことがある男性だ。

2人はその後、お互いの結婚証明書を照合。覃玉嬌の身分証明書番号が完全に一致したため、公安に届け出ることにした。そして昨年末の逮捕に繋がったというわけだ。

事件発覚後、公安が彼女の結婚登記記録を調査したところ、彼女は陳さんと李さん以外にも5人の男性と結婚していることが判明。使用されている身分証番号はすべて同じだったが、どうやら結婚登記をした場所が別の県にまたがっていたため、奇跡的に登記に成功したものと見られている。ちなみに現時点では、ほかの男性から被害届は出ていないそうだ。

いずれにせよ、今回の事件は結婚登記のずさんな管理体制が被害者の数を増やしたとも言える。一人っ子政策の影響により男女比率に歪みが生じるとともに、低所得の男性の結婚がますます難しくなっている中国。こうした結婚詐欺の被害を増やさないためにも、早急な管理体制の整備強化が望まれるところだ。

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