鏡使った練習で自分に催眠術、妻に発見されるまで5時間も直立不動。

2010/01/07 14:39 Written by Narinari.com編集部

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暗示作用により、意識に変化を与えるのが催眠術。テレビなどでよく見られるように、催眠術をかけられた人が動物や物になりきったり、組んだ手が離れなくなったりと、無意識の部分に働きかけてマインドコントロールしているようなイメージを抱く人も多いだろう。また、恐怖心を消すといった心理療法としての利用法も知られているが、いずれにしても人の心に作用する技術であり、専門的な知識を持ったスペシャリストではない人が試すと、場合によっては危険な状況を生みだしかねない。催眠術を勉強し始めた英国のあるサーカス団員の男性は、自宅で鏡を使って練習していたところ、あろうことか自分が催眠術にかかってしまった。妻に発見されるまでの5時間、まるで抜け殻のように立ち尽くしていたという。

この男性は、ロンドン在住でサーカス団のパフォーマーを務めているドイツ人男性。これまで剣を飲み込むなど、体を張った芸を得意としていた男性は、新たなパフォーマンスのためにテレビを見て興味を持った催眠術を学んでいた。英紙デイリー・テレグラフによると、彼は催眠療法を扱うレイ・ロバーツ博士の教えを受け、この日は本を見ながら自宅で1人、練習を始めたという。

午前10時、男性は本の45ページに書かれていた「催眠麻酔」という術を、鏡に向かって行った。すると「催眠麻酔」は大成功。鏡を通して自身が催眠状態に陥る。しかし、そのまま誰に気付かれるわけでもなく、男性は1人で鏡の前に立ち尽くしたままとなってしまった。

そして、催眠状態に入って5時間が経過した午後3時、部屋に入ってき妻が抜け殻のように立っている夫の姿を発見。「まるでゾンビのような」(デイリー・テレグラフ紙より)夫を見て驚き、何が起きたのか声を掛けても「彼の反応はなかった」(同)という。慌てて周囲を見回すと、本とロバーツ博士の手紙があり、開かれたページを見て事態を把握した妻はすぐに博士へ連絡。男性は博士に催眠状態を解いてもらい事なきを得た。

「私は、自分の技術とその術の力を過小評価していた」(英紙サンより)。そう語る男性は、催眠状態に陥ったときの感覚を「何も感じなくなり、体はリラックスした状態で浮いている感じ」(同)だったと説明している。以前は「催眠術にかかった人は大げさな演技をしているだけ」と思っていたそうだが、身を持ってその間違いに気付いたとも。今回のハプニングを受けて、現在、男性は妻がいる前でしか練習をしないという。また、万が一、今後同じ事故が起きた場合に備え、ロバーツ博士は妻に催眠状態を解くキーワードも授けたそうだ。

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