3人に2人が欲しいモノを過大評価、購入前は誰かに相談したほうが良い?

2009/12/22 12:30 Written by Narinari.com編集部

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「欲しい」と思って購入してみたものの、いざ手元にあると全く使うことなく、ホコリをかぶったまま放置気味に……。そんな買い物の失敗談は、誰しも持っているものだろう。特に流行が関係するファッションアイテム、メディアで大騒ぎされるようなデジタルグッズ、テレビショッピングで言葉巧みに売られる商品などなど。後悔とまでは行かなくとも、時間が経って熱が冷めたときに「なんで買ったんだろう」と思うようなモノが部屋の片隅に置いてある……なんてことはよくある話だ。

そうした経験を、いったいどれくらいの人がしているのだろうか。そんな疑問を抱いた米国の大学院生が、学生を対象に調査を実施。その結果を英専門誌「Social Influence」で発表した。

調査を行ったのは米ニュージャージー州にあるラトガース大学大学院で心理学を学ぶ、ジェフリー・ヴィエトリさん。米放送局ABCによると、彼はあるとき、ハンドルを回して野菜の水気を一気に飛ばすサラダスピナーが欲しくなり、思い立ってから1か月後に購入した。しかし「最初の1週間は2〜3回使ったんだ。でも1か月経ったら、台所のキャビネットの奥に押し込んでいたよ」(ABCより)と、全くムダな買い物となってしまったそう。その後、彼の指導教官と友人で話をしているときにその経験を思い出し、どれくらいの人が同じような経験をしているのかを3人で調べることにした。

調査は昨年、1年の中で最も購買意欲が高まるクリスマス時期を前に、164人の学生を対象に実施。まず、その時点で「いま何が欲しくて、それをどれくらい使うと思うか」という質問をぶつけた。そして時間を置いて今年の春、対象者に「そのとき欲しかったモノを手に入れて、その後、ちゃんと使用しているか」をヒアリング。ただ、必死の捜索にも関わらず、ヴィエトリさんらが春に再び聞くことができたのは42人だけとサンプル数が激減してしまったが、そのうち3人に2人は「結構使うだろうと過大評価していた」と認めたそうだ。

また、ヴィエトリさんらは別に用意したグループの118人に、学生が「欲しい」としたモノが、どの程度使われそうかを予測してもらった。すると、学生自身の予測よりも低い評価となり、ABCは「他人でさえ、あなたの『欲しいモノ』がゴミ箱行きになることが、よく分かっている」と伝えている。また、英紙ニューヨーク・デイリーニュースは、「友人に現実的なチェックをしてもらいましょう」と、客観的な判断を他者に求めることが、ムダな買い物を避ける良い方法だとしている。

ヴィエトリさんは「ムダな買い物は経済的にも環境的にも良くない」と注意を喚起。消費者にとっては当然浪費となる上に、それ以外にも、使われないモノのために生産、出荷、輸送の段階で環境に大きな影響を及ぼすと指摘している。また、さらに使えないモノがゴミ処分場行きになれば、そこでも環境に悪影響だと主張。適切な買い物をすれば財産にも環境にも良いと訴え、「購入するときには、誰かに相談するという小さなステップを提案する」と、必要がなくなりそうな可能性のあるモノをすぐに買わないよう呼び掛けている。

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