カリブ海に沈んだ古代都市発見? 仏紙報道に他メディアから疑問の声。

2009/12/19 13:59 Written by Narinari.com編集部

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カリブ海に沈んだ古代都市の遺跡を発見した――。仏紙ヘラルド・ドゥ・パリが紹介した、ある研究者グループの“発見”が話題を呼んでいる。ただ、これまでもカリブ海では幾度か古代都市に絡む“発見”の話題が出たことはあり、そのいずれも信憑性に足るものではなかったとの経緯を踏まえ、欧米メディアでは、今回も疑問を投げかける声が大きいようだ。

ヘラルド・ドゥ・パリ紙によると、研究者の名前は「本人の希望」により、明かされていない。場所は「カリブ海」としているが、この研究者グループは現地調査ではなく、人工衛星からの写真で発見したという。同紙サイトではその写真を6枚公開し、さらに後日、新たに9枚を追加。いずれも海面と思われる青い世界の下に、かなりの範囲に街らしき構造物のようなものが見える。研究者は「衛星で見えるほど、我々が見つけた地点は浅い場所にある」と語っており、水深は約700メートルほどだという。

また、研究者グループは、今回の発見は2001年のキューバ沖での発見とは関係なく、新たなものと主張。高くて細いピラミッド状の建造物や、格子状に伸びる街のつくりが「人間の関わりなしにはできない」と話している。その歴史は数千年前と考えられ、「恐らく、エジプトのピラミッドよりも古い」と見ているそう。現在、研究者グループはその場所が存在する国の政府に保護される前に研究を行いたいと、あえて詳しい情報を明かさず、調査をするための資金集めをヘラルド・ドゥ・パリ紙を通じて呼び掛けている。

一方、英紙デイリー・メールは、ヘラルド・ドゥ・パリ紙の内容に触れながらこの話題を紹介。しかし、研究者グループが名前を含め、情報の詳細を明かしていないことなどから、懐疑的な論調だ。また、同紙は「念のため」という表現をつけて、「疑いを持つ人は、彼らの正体を暴こうとはしなかったものの、ネット上では疑問視されている」とも伝えている。

米ニュースサイトのイグザマイナーでは、「無名の考古学者が、カリブ海で文明の遺跡を発見したと主張している」と伝えたものの、具体性に欠ける説明に「賢明に言葉の使い方を選んでいる」とバッサリ。「最近の発見の主張に関して、我々は広い心を持っているが、どことも分からない無名の学者と写真は信頼できない」と、完全に疑惑の目を向けている。

こうした否定的な意見が多く出ている一方で、ヘラルド・ドゥ・パリ紙は「(米ニュース専門局)MSNBCの番組で、2分間のストーリーが放送された」との記事を掲載し、その番組の動画も公開している。果たして今後、研究者グループが疑問の声を覆すような新情報を出してくるのか、注目しておきたいところだ。

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