年齢より若く見える人は長生き? 見た目年齢と寿命の関連性を調査。

2009/12/17 12:39 Written by Narinari.com編集部

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人間は年を重ねれば肌のハリを失い、シワが増え、その年齢相応の顔立ちになっていくもの。しかし、中にはいつまでも実年齢よりも若く見える人々もいる。そうした見た目の違いが、実は寿命にも関わっているかもしれない――。そんな研究結果をデンマークの研究グループが発表した。

英紙ガーディアンによると、この研究は南デンマーク大学で老化を専門にしているコーア・クリステンセン教授らのグループが行い、英専門誌「British Medical Journal」で発表したもの。クリステンセン教授らは、2001年1月時点で生存していた1,826人の双子(70歳以上)をサンプルに選び、その写真を20人の看護師、10人の若い男性、11人の中年の女性に見せた。そして、写真の人物がいくつに見えるか、年齢を推測するよう依頼。この質問結果と、2008年の生存状況の関連性を調べた。

ここで双子を取り上げた理由については、老化に関わる遺伝子情報を同様に持っている点を考慮。環境の違いにより生じた見た目の変化が、寿命の違いに結びつくのかどうかを容易に掴めるためだ。英紙デイリー・メールによれば、クリステンセン教授らは同じ双子の写真は別の日に見せ、客観的にその人の年齢を推測させるようにしたという。

調査の結果、2008年の生存状況では、全体の37%に当たる675人が亡くなっていたことが判明。その多くは2001年の年齢推測の際に、実年齢より老けて見られた人だったことから、「見た目の年齢は、生存状況とかなり関係している」と結論付けている。

また、同じ双子の間で推測された年齢の幅が大きいほど、老けて見られたほうは先に亡くなっていた例が多く見つかったという。この結果にクリステンセン教授は「簡単に言えば『厳しい人生を歩んできた人は寿命が短い』。その人生は、顔に反映される」(デイリー・メール紙より)と語っている。

また、米紙ニューヨーク・デイリーニュースによると、研究ではサンプル者らの染色体調査も実施。この中で教授らは、染色体の末端に見られる「テロメア」という部分の長さを調べている。「テロメア」は染色体末端部を保護する役割があるとされ、「この部分が短い人は、老化のスピードも速く進行すると考えられる」という。すると、今回の研究でも若く見えた人ほど、長い「テロメア」を持っていることが分かったそうだ。

クリステンセン教授は「成人の人が『年齢より老けて見える』と言われれば、健康状態が良くない証だ」(ガーディアン紙より)と忠告する。肌のシワやたるみなども、軽く見てはいけないのかもしれない。

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