6歳のときに海へ流したボトル発見、24年かけて480キロ先に流れ着く。

2009/12/02 08:33 Written by Narinari.com編集部

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知らない人との繋がりを求めて、ビンに詰めた手紙を海へ流す「メッセージ・イン・ア・ボトル」。自然の流れに任せるこの方法は、時間的にも空間的にもスケールが大きく、海中に沈んだり、元の場所に戻ってきたりと、実際に遠くの誰かの手に拾われるのは難しい。しかし、うまく海を漂流し続け、何年も経ったあとに発見されたというニュースが届くこともある。 

いまから24年前の1985年夏、米ニュージャージー州オーシャンシティで「メッセージ・イン・ボトルコンテスト」というイベントが開催された。家族旅行で同地を訪れていた当時6歳のヘイディ・ケイちゃんも、このコンテストに参加していた一人だ。

米紙フィラデルフィア・インクワイアーによると、「メッセージ・イン・ア・ボトルコンテスト」は、参加者が各々用意したボトルに名前や住所などを書いたメッセージを封入。大西洋に流し、一番遠くまで流れたボトルの主が“勝者”になるという、単純なルールのコンテストだった。しかし、舞台は広い海。どこまで漂流していくのか、いつまでも待ち続けるわけにはいかないため、主催者は約1か月の期間を設定し、その間の流れ具合で“勝者”を決めたそうだ。つまりそれは、期間中に発見されなかったボトルは行方が分からないまま、海を漂い続けることを意味している。

それから24年の年月が流れた今年11月上旬のこと。オーシャンシティから300マイル(約480キロ)離れたノースカロライナ州で、嵐が過ぎ去ったあとの海岸を掃除していた近くのリゾート施設従業員が、メッセージ入りのプラスチック製ボトルを発見する。

ボトルを見つけた従業員は、中のメッセージの指示に従ってオーシャンシティ当局に連絡。そして11月26日、現在はデラウェア州に住む30歳になったヘイディさんのもとに、1本の電話がかかってきた。電話の内容は「今日の新聞に載っていた『長く海を漂っていたボトル』の記事にあるヘイディ・ケイさんですか?」。そのとき、ヘイディさんはすぐに「たくさんの良い思い出が蘇った」(米紙プレス・オブ・アトランティックシティより)という。

「その日は快晴で、(コンテストの前に)ボトルを探したのを覚えてるわ。いろいろなお店に『空き瓶はありませんか』と聞きまわったのよ」と、ヘイディさんは当時を振り返る。必死に探し回り、ようやく手に入れたソーダのボトルは、24年が経ってもほぼ無傷のきれいな状態で発見され、まるで時が止まっていたかのように当時のまま。一方で同じ24年を歩んできたヘイディさんは立派な大人へと成長し、現在は夫と2歳の娘の3人で暮らしている。

“メッセージを書いた少女発見”の知らせに、24年前にコンテストを締め切ったオーシャンシティ当局も「ヘイディさんがコンテストの勝者」と改めて発表。当局は、今年の大みそかに開かれる街の新年祝賀パーティーに「スペシャルゲストとして家族を招待したい」と申し入れ、ヘイディさんもこれに応じたという。「最近はオーシャンシティを訪れていなかった」と語るヘイディさん。24年前は両親と訪れたオーシャンシティで、今度は夫や娘との新たな想い出を作ることに、胸を膨らませているに違いない。

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