新聞を買いに車に乗ったら迷子になった81歳、9時間かけて600キロ走破。

2009/11/19 15:04 Written by Narinari.com編集部

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新聞を買いに近くの店に車で行こうとしたら、道に迷って600キロも先まで行ってしまった――。そんなオーストラリアのおじいちゃんの“珍騒動”が話題を呼んでいる。

この“珍騒動”の主人公は、ニューサウスウェールズ州ヤスの友人宅を訪れていた、81歳のエリック・スチュワードさん。「新聞やミルクを買うために車を使うのは当たり前」(英放送局BBCより)というオーストラリアで、11月16日午前7時15分、エリックさんは近くに店で新聞を買おうと車に乗った。店までの距離は2マイル(約3.2キロ)ほど。車なら大して時間もかからない距離だが、「いつも1、2時間ほど出かける」(豪紙デイリー・テレグラフより)エリックさんを、妻のクレアさんは当初あまり心配してなかったようだ。

ところが、この日ばかりは様子が違い、いくら時間が経ってもエリックさんが戻ってこない。実はエリックさんは軽い認知症を患っていて、「運転に関してはとても集中して安全」だったそうだが、さすがに不安を覚えたクレアさんは、エリックさんの携帯電話に連絡してみることにした。

しかし、エリックさんは携帯電話の電源を切っていたため繋がらず。数時間経ってようやく電話に出たエリックさんに対し、クレアさんが「何か目印は見える?」と聞くと、「ウェストゲート・ブリッジが見える」と答えたという。ウェストゲート・ブリッジはメルボルン近郊にある橋で、ヤスからは約600キロも南。日本で言えば東京〜神戸間にあたる距離を、エリックさんは南下していた。

このとき、時間は午後4時前。結局、エリックさんはパトカーが止まっているのが見えた近くのガソリンスタンドに立ち寄り、警察官に事情を説明。話を聞いた警察官も最初は信じられなかったそうだ。その時の様子を、警察官は「『彼が迷ったみたい』と近づいてきたから、どこに行きたいのか聞いたら、ヤスだと言うんだ」(デイリー・メール紙より)と語り、驚きのあまり2度確認してしまったという。こうしてエリックさんは無事保護され、クレアさんはメルボルンまで迎えに行った。

「なぜもっと早くに止まらなかったのか」と尋ねた警察官の質問にも、「ちょっと運転がしたかったから」と答えたというエリックさん。この“珍騒動”はオーストラリア国内で話題となり、記者会見まで開かれたが、その席でも「そんなに大騒ぎすることかな?」(英放送局BBCより)と本人は全く気にしていない様子だ。

また、カーナビの導入を提案されると、エリックさんはこれを拒否。「カーナビがついたら迷子になれない。楽しみがなくなる」と、本人にとって道に迷うことは、あくまでドライブの一環と捉えてるらしい。

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