“ノド輪選手”に八百長疑惑、アンケートで「選手を信じる」はわずか8%。

2009/11/16 12:22 Written by Narinari.com編集部

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2008年2月に開催されたサッカー東アジア選手権、日本vs.中国で鈴木啓太選手にノド輪を決め、日本でも多くの人に名を知られることになった中国のリー・ウェイフォン選手。強靭な肉体と豊富なスタミナを武器に、現在は韓国Kリーグの水原三星ブルーウィングスで活躍しているが、連日のようにサッカーの八百長問題が取り沙汰される中国で、リー選手にも八百長疑惑が浮上した。もし疑惑が本当だった場合には人気サッカー選手の失態となるだけに、中国サッカー界にとっては大きなダメージとなりそうだ。

新聞晩報や網易体育などの報道によると、この疑惑を暴露したとされるのは、中国のスーパーリーグ(中国の1部リーグに相当)での監督経験を持つチー・シャンビン氏。チー氏は2004年に江蘇舜天、2005年に深セン健力宝(現在は深セン上清飲と改名)でそれぞれ監督を務めたが、どちらのチームもシーズン途中で辞任している。この監督辞任の理由として「チームに所属している選手が八百長プレイをしていたから」とチー氏が話したという旨が関係者のブログに掲載された。

ブログによると、チー氏は監督でありながら「選手をコントロールすることができなかった」とし、中国代表経験を持つDFリー・ウェイフォン選手やGKリー・レイレイ選手などが、怪我を口実に試合に出なかったり、試合に出場しても真面目にプレイしなかったり、八百長プレイをしていたと告白している。

また、チー氏が江蘇舜天の監督を務めていたとき、アウェイゲームの対戦地に到着した晩に選手4名が車でどこかへ連れて行かれただけでなく、試合前日にはある人物から「あなたのチームは絶対に負ける」と通告されたこともあるそうだ。実際、その試合は相手選手にバックパスを出すなど散々な内容だったらしく、試合後には選手が「これで5万元の金が入る」と口にするのを耳にした人物もいるという。チー氏はそのことをクラブに報告したが、「クラブ側からは何も返事がなかった」としている。

チー氏は「確固たる証拠はない」とも語っているそうだが、「中国のサッカー界をクリーンにしたい」と、今後警察の捜査に協力する意向も表明。先月、中国の胡錦濤国家主席らが中国のサッカー界立て直しへ「八百長撲滅」を宣言し、関係者が次々と逮捕されているが、仮にチー氏の話が本当ならば、リー・ウェイフォン選手を含む中国の大物サッカー選手に捜査の手が伸びる可能性も否めない状況だ。

なお、中国のポータルサイト「網易」は報道を受け、さっそくアンケートを実施。11月15日現在、「リー・ウェイフォン選手らを信じる。八百長には関与していない」はわずか8%にとどまっており、中国のサッカーファンも自国のサッカー界にはかなり疑心暗鬼になっているようだ。

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