警察沙汰を繰り返した12歳の少年、保釈金の代わりは「Wii」。

2009/11/06 21:25 Written by Narinari.com編集部

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犯罪の低年齢化や学級崩壊などの話題が騒がれるようになり、子どもたちのモラルに厳しい意見が出ることも多い昨今。こうした傾向は日本だけでなく海外にも見られ、同じような話題が伝えられることもしばしばだが、カナダでは、学校で暴行などを繰り返した12歳の少年が警察に逮捕されるという一件があった。これまでにも保釈されては逮捕を繰り返したこの少年、先日行われた審理では、裁判官は保釈を認める代わりに、彼が持っていた任天堂「Wii」を渡すよう求めたという。

カナダ地方紙ウィニペグ・サンによると、この少年は今年に入ってから数回にわたって学校内で事件を起こし、警察の世話になっていた。2月には石を詰めた靴下で学校の窓ガラスを割ったのをはじめ、その数日後には同級生の顔を殴ったとして警察沙汰に。8月にはプールで別の同級生の頭を殴る事件も起こし、そのたびに少年は裁判所から事件を起こさないよう命令を受けた上で釈放されていたのだが、10月に再び騒ぎを起こしてしまった。

10月16日にドッジボールの試合をした後、少年は女性教師と男子の同級生に暴行したとして、警察に逮捕。少なくともこれまでに裁判所の命令を3回も破っていることもあり、今回は学校への出席も禁止され、起訴されてしまった。12歳の少年に逮捕や起訴するだけでもかなり厳しい対応にも見えるが、同紙は「検察は、彼が精神的にコントロールできないので、保釈するべきではない」と主張したとも伝えている。

これに対し少年の弁護士は「いたって普通の12歳の少年」と反論。とはいえ、これまでの経緯から弁護側の意見がそのまま採用されるわけもなく、かといって保釈しないのも厳しいと判断したのか、裁判官は保釈に1つの条件を出した。

その条件とは、「保証金の代わりとして、裁判所に彼の所有物で一番価値のあるものを差し出す」というもの。少年はこの条件に同意して、自分が持っていた任天堂「Wii」を渡し保釈された。さらに今回の保釈では保護観察処分も下され、祖母と一緒に暮らすことも条件に入っているという。今後少年が13歳になるまでに再び事件を起こした場合には、「彼はWiiを失います」と裁判官は語っているが、大人たちの今回の対応で、この少年に事の重大さが伝わったのかどうかは気になるところだ。

同紙には「Wiiを取り上げる前に、彼の行動の原因を探るべきだ」「鎖でつないで、厳しい愛情を見せてやれ」「訓練所を作って行動に対する責任を教えるべき」と、読者からのいろいろなコメントが寄せられている。

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