少年のSNS自殺予告を少女が止めた、海を挟んだ騒動も同居両親気付かず。

2009/11/04 14:12 Written by Narinari.com編集部

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今や多くのパソコンユーザーに利用されるSNSは、気軽に見知らぬ人と共通の話題を楽しんだり、交流したりできるのが魅力のひとつ。16歳のある米国人少女も、「Facebook」で同い年の英国人少年とチャットを楽しんでいた。しかし、この少年がチャット上で自殺を予告したことを受け、少女はすぐに警察へ通報。結果、少年の自殺を食い止めたというケースが報告された。

英地方紙オックスフォード・メールによると、この一件は10月29日にオックスフォード警察署内で優秀な捜査に対する表彰式が行われ、受賞の対象となった事件について紹介されたもの。事件の概要はこうだ。今年4月1日の23時30分頃、米メリーランド州に住む少女は、英オックスフォードの少年と「Facebook」上でチャットをしていた。すると、少年は突然自殺をほのめかす発言をしたそう。遅い時間帯ではあったが、不安を覚えた少女は母親に相談し、すぐにメリーランドの警察に事のいきさつを知らせた。

警察はこの話を真剣に受け止め、ワシントンD.C.にある英国大使館へと速やかに連絡。そして、この情報は本国のロンドン警視庁へと渡り、少年の居住地域と思われる地域を管轄するテムズバレー警察へと情報が伝わった。少女は「彼がどこに住んでいるのか全く分からなかった」(英紙デイリー・スターより)そうだが、警察の捜査で少年の苗字と、通っている学校は特定できたという。

学校に連絡を入れれば身元は分かるところだが、まだ学校が開くには早すぎる時間帯。そこでテムズバレー警察はGoogleや選挙人名簿を使って少年の家を探し出そうと試み、8軒まで絞り込んだ。一刻を争うと判断した警察官たちは、1軒ずつ周ろうと決断。すると、3軒目に訪れた家で、薬物を大量摂取して寝室に倒れている少年を発見し、すぐさま病院へ搬送した。ここまで少年の自殺予告から2時間半。少女の速やかな通報と、関係機関の素早い連携が少年の命を救ったとも言える。

事件を担当し、表彰を受けたポール・セクストン巡査部長は「少年を見つけ出すのに必死だった」という。また、海を越えていろいろな関係者の協力によって解決した点に触れ、「私は28年間この仕事をしているが、この事件は私の涙を誘った」と、少年が命を落とすことなく、無事に解決できたことに感慨深げだ。

ちなみに、大西洋を挟んだ騒動になっている間、下の階にいた両親は、息子の異変に全く気付かなかったという。

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