クッキーの名称が人種差別的? 苦情や批判が寄せられ販売中止に。

2009/10/31 13:41 Written by Narinari.com編集部

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人種、宗教、性別などの違いを排除し、誰に対しても公平な言葉使いをしよう、という働きかけ(ポリティカル・コレクトネス運動)が米国で始まってから、すでに30年近くの月日が流れました。日本でも特定の病名や職業に、偏見および差別的な意味合いがあるとして、呼び方を変えたケースがいくつもあります。身近な言葉では「看護婦(→看護師)」「スチュワーデス(→客室乗務員)」「肌色(→うすだいだい/ペールオレンジ)」などを思い浮かべると分かりやすいかもしれません。

しかし、このポリティカル・コレクトネス運動、時には「少しやり過ぎなのでは?」と感じるようなモノも。例えば伝統的な行事である“クリスマス”や“イースター”も槍玉に挙がったことがあります。キリスト教のしきたりとの理由で、小学校などでこれらをテーマにした行事などができなくなってしまったケースもあるそう。ほかにも、デパートなどでお客さんに「メリー・クリスマス」と挨拶することが禁止され、代わりに「ハッピー・ホリデー」と言わなければならなくなった、という話もあります。

そんなポリティカル・コレクトネス運動ですが、このたび、豪州のスーパーで販売されていたクッキー「クレオール・クリーム」にも影響を与え、販売中止に追い込まれる事態となりました。豪放送局ナイン・ネットワークによると、「クレオール・クリーム」はチョコレートクッキーにクリームが挟まれた「オレオ」に似た商品ですが、「クレオール」の名前には“白人と黒人の混血”との意味もあり、これが過去に差別的な意味合いで使われていた、というのです。

ただ、「クレオール」は米ルイジアナの伝統料理の名前だったり、さらにこの土地に移住した祖先を持つ人々が自らを呼ぶのに使ったりと、ほかの用途もある言葉。「クレオール・クリーム」のメーカー側も、ルイジアナ州の文化をイメージして名付けられたものであり、「差別的な意図はまったくない」としています。

でも、一部の人々にはこれが「ナチズムを連想させるほど、差別的で攻撃的な言葉である」(ナイン・ネットワークより)と受け取られ、この商品を扱っていたスーパーには苦情と、商品名の変更を求める声が寄せられました。そして販売中止の決断に至り、新しいブランド・イメージで再発売することにしたそうです。

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