火事で幼い子どもを亡くした母、燃えた家をお化け屋敷にする計画立てる。

2009/10/29 22:30 Written by Narinari.com編集部

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亡くなった人を弔う方法は人それぞれ。生前に好きだったものを供えたり、大好きだった場所に散骨したりと、魂になった故人を想っていろいろな行動をとるものだ。中でも、子どもに先立たれてしまった親の場合、その想いは人一倍強くなるのかもしれない。

米カリフォルニア州に住む27歳のある女性は、今年5月29日、不幸にも自宅が火事に遭い、幼い息子2人を失った。火と煙に巻かれ、苦しみの中でこの世を去った我が子に対する悲しみが深いばかりか、「消防隊の行動に、非常にがっかりしている」(米放送局NBCロサンゼルスより)と、今でもやりきれない思いでいるという。そして、火事から5か月が過ぎようとする最近になって、息子を忘れられない女性は1つの行動を思い付いた。

それは、毎年10月31日のハロウィンを楽しみにしていた息子たちに、喜んでもらうための計画。火災で焼け落ち、子どもたちが命を落とした自宅でハロウィンを祝おうというものだ。しかし、その祝い方は、「お化け屋敷にしてお客さんを入れよう」という、少し変わった発想だった。

女性は「私が何をするつもりか誰も分からないだろうし、私がどう感じているかも知らない」(米地方紙サンバーナーディーノ・サンより)と話した上で、「これが子どもとハロウィンを祝うための方法」なのだという。少なくとも他人がどう見ているか、どう思われるかは理解している女性だが、それでもなお、お化け屋敷にすることが「息子たちとの楽しい想い出を懐かしむ」(同)方法ということらしい。

お化け屋敷の中には、崩れ落ちた家の中に骸骨の模型やクモの巣など、ハロウィンでおなじみのアイテムをスタンバイ。さらに亡くなった子どもたちの写真やおもちゃ、ぬいぐるみ、十字架など、火事を知っている人ならば、複雑な心境にならざるを得ないものが並ぶ。

計画では、お化け屋敷は10月末まで1週間足らずの期間限定オープンで、自宅前にはしっかりと「入場料3ドル(約270円)」の看板も。しかし、近所の人たちは当然ながら女性の試みに首をかしげ、嫌がっていたそうだ。

そして準備も整い、あとはオープンを待つ状態となっていたところに、市当局がお化け屋敷に“赤タグ”を付け、「待った」をかけた。この“赤タグ”は「建物が安全ではなく、立ち入り禁止」を意味するもの。これにより、女性の計画は頓挫することになった。

しかし、ハロウィンに天国の息子たちを楽しませたいという女性の気持ちは変わらず。当日は、家の前でキャンディを配る計画を実行するそうだ。

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