2ドルで売った絵はピカソだった? 「100万倍の価値」報道に売り主落胆。

2009/10/29 10:00 Written by Narinari.com編集部

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上手い/下手を直感的に判断するだけならまだしも、絵画の“価値”を見極めるのは、よほどその道に精通していなければ、普通の人には難しい。贋作やレプリカも存在する絵画の世界で、それが有名な画家が描いたホンモノの作品と断定できるのは、専門家か、かなり目の肥えた愛好家くらいなものだ。実際、安値で売却されたあと、価値のあるモノだったと分かるケースも少なくないという。

米国のある女性は、亡くなった隣人の親類からさまざまなモノを譲り受けた。その中には1枚の絵も含まれていたのだが、価値がないと判断した女性はガレージセールに出し、わずか2ドルで販売。しかし、後にこの絵がホンモノのピカソ作品の可能性があると分かり、女性は酷く落ち込んでいる。

この女性は、米ルイジアナ州シュリーブポートに住むエディス・パーカーさん。最近、トレーラーハウスに住んでいるパーカーさんの隣人が亡くなり、ほかの街から親類が荷物整理にやって来た。親類は売れるものは売ってお金にしたが、残った物を持ち帰りたくなかったため、パーカーさんに譲り渡したという。亡くなった隣人は美術品を集めるのが趣味で、パーカーさんが貰ったモノの中に、問題の絵があった。

実はパーカーさんは最初、絵に「ピカソ」のサインがあることに気が付いたそう。そこで親類にたずねると「ニセモノだから、気にしなくて良い」との返事。この言葉をそのまま受け取ったパーカーさんは、「ニセモノなら」と、ほかの品々とともにガレージセールで販売することにした。売り上げはトータルで500ドル(約4万6,000円)とまずまずの数字で、ニセモノだと信じていた絵も2ドルで売れたそうだ。

この絵を買ったのはテイシャ・マクニールさんという女性で、マクニールさんも絵の「ピカソ」のサインに気が付いたのか、インターネットを使って絵に関する情報を検索。すると、“存在不明”とされている絵に「驚くほどそっくり」だったことから、FBI(米連邦捜査局)に盗品の照合を含めた絵の鑑定を依頼した。この話を米放送局ABCが聞きつけ、マクニールさん本人に直撃する。

マクニールさんは「FBIは、オリジナルのように見えると言った」(ABCより)そうだが、そのほかについてはコメントを避けているという。FBIは、問題の絵が「盗品リストに含まれていない」としているため、所有権は問題なくマクニールさんに。ABCは今のところ絵の価値は「(ホンモノなら)少なくとも200万ドル(約1億8,300万円)以上」と伝えており、実に買値の100万倍の金額になる可能性がある。しかし、まだ鑑定・調査中とあって、マクニールさんもぬか喜びにならぬよう、慎重な態度でいるようだ。

一方、ABCの報道でこの事実を知ったパーカーさんは「今の気持ちを表す言葉が見つからない」(ABCより)と、大きな獲物を安く売ってしまったことに相当なショックを受けている。「仕事が辞められて、トレーラーパーク(トレーラーハウスを止める駐車場)から出られたのに」「ずっとそのことを考えるのも当然でしょ」(同)と、悔しさでいっぱいのようだ。

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