11歳少年が学校で「ゲームと関節痛」の関連調査、結果は学会でも発表。

2009/10/23 13:18 Written by Narinari.com編集部

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米ミズーリ州セントルイスに住むデニス・インスくんは、日ごろから「Wii」を楽しんでいる11歳。ある日オレンジを搾っているときに指を痛めたのをきっかけに「関節の痛み」に関心を寄せ、そこから「テレビゲームは関節の痛みに影響しているのか」についても気になり始めた。そこでニューヨーク大学でリウマチの研究をしている父親に相談。ほかの研究者の力も借りながら、学校に通う7〜12歳の生徒171人にアンケート調査を行うことになった。

このアンケート調査の結果を紹介している米医療系サイト「Health Day」によると、インスくんの学校では、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機、そして「iPhone」のアプリなども含めて、8割の生徒が何らかのゲームで遊ぶと回答。そのプレー時間については、「1日1時間未満」が半数で、「1〜2時間」が3分の1、「2〜3時間」が7%、「3時間以上」が6%という結果だった。そして、インスくんが気になっていた痛みについては、12%の生徒が「ゲームに支障をきたすほどの指の痛み」を感じた経験があり、10%は同程度の「手首の痛み」を感じた経験があると回答したという。また、調査全体から、「ゲームで遊ぶ時間が1時間増すごとに、痛みを感じた経験がある人が50%増加する」ことが分かったそうだ。なお、この調査結果は10月19日に開かれた米リウマチ学会でも発表されたと、同サイトは伝えている。

調査に協力したニューヨーク大学病院のユスフ・ヤズジュ博士は、「小さい子どもほど、痛みの問題が大きい」(Health Dayより)と結果を分析。そのわかりやすい例として「2時間遊ぶ10歳の子どもより、2時間遊ぶ7歳の子どものほうが、痛みを感じる子が多い」ことを挙げ、特に小さい子の“ゲームのし過ぎ”に警鐘を鳴らしている。

ヤズジュ博士は、小さい子が痛みを感じやすい原因について「ハッキリは分からない」と明言を避けているものの、小さいほど筋肉や腱が未発達で、テレビゲーム操作時の同じ動きが指や手首に圧力をかけて起きるのでは」(Health Dayより)とコメント。また、ノースウェスタン大学医学部のエリック・ルーダーマン博士も「調査結果は、テレビゲームが発育過程の子どもの筋肉や腱に『良くないかもしれない』という可能性を示唆している」(同)との見解を示している。

ちなみに、今回のアンケート調査の結果を見たインスくんは、「Wii」で遊ぶ時間を減らしたという。そして、友だちには「1日に何時間もテレビゲームをしちゃダメだよ」(Health Dayより)と話しているそうだ。

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