“毛沢東”の扱いは慎重に、「マイクを持った毛沢東」ポスターを撤去。

2009/10/22 14:21 Written by Narinari.com編集部

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死後すでに30年以上が経った今でも、中国で大きな存在感を放つ毛沢東氏。ここ最近は不況や就職難を背景に、若い人の間でも“毛沢東人気”が高まっていると言われているが、このたび、中国のカラオケ店が毛沢東氏を描いたポスターを作製・掲示したところ、すぐに撤去されるという一件があった。 

このポスターを作製したのは中国・浙江省台州市路橋区にあるカラオケ店。ポスターには人民帽をかぶり、左手にマイクを持った軍服姿の毛沢東氏が描かれており、右下部には「歌唱祖国」「我的祖国」「中国人」といった愛国の歌10数曲のタイトル、上部には中国の国慶節(建国記念日)を祝う文句が記されている。マイクを手にしている以外は、絵柄も色も、街中でよく見かける毛沢東のポスターと大差ない構図だ。

しかし、中国の広告法には「広告が社会の良いイメージに背いてはならない」と明記されていること、また、国家工商行政管理総局が発布した通知に、党と国家の指導者の肖像を商品や包装に用いたり、企業の販売促進活動に利用したりしてはならないといった内容が記されていることなどから、カラオケ店を管轄している路橋区の関連部門から目を付けられてしまった。そして、このポスターは掲示後間もなくして撤去されることになる。

カラオケ店の関係者は「このポスターは10月1日に貼った。国慶節を祝うために作製したもの」(中国新聞網より)と説明し、販売促進活動の意味合いがないことを強調。実際、このポスターを見たある客は「(このポスターで)客寄せは期待できなそう」(同)と証言するなど、カラオケ店の“弁明”もあながちウソとは言い切れない状況だ。とは言え、こうした判断基準は政府に委ねられており、多かれ少なかれ、カラオケ店が毛沢東氏を宣伝に利用したと判断されたのかもしれない。例え侮辱やからかいがなくとも、いまだに中国では「毛沢東氏は慎重に扱わねばならない」ことは確かなようだ。

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